Dream Launch (ページ9)

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九ツ星ページ9

やられた。

テンに送られた住所に従って来た店は、明らかに今までとは違う。

今までパイロットやCAさんと一緒の飲み会は、もっとお洒落な感じだった気がする。

しかし、指定された住所にそびえるこの店はなんというか、とにかく今までとは系統が違う。

今まで全部テンに任せてきたのがダメだったのか。

それより、本人が時間を過ぎても来ないとはどういう事？

テンは仕事のこと以外返信が遅いので、直接電話を掛ける。

「あの？もしもしテンさん？もしかして寝てたりします？」

「あ、Aちゃん！着いた？」

どういう事？と聞くと、呑気な声で説明される。

どうやら、私が友達が欲しいと言っていたため、航空関係ではなくエンジニア関係で交友関係を広げてやろうという粋な気遣いにより、各界隈の整備士やエンジニアが集まる飲み会に参加させてくれたらしい。

なるほど、エンジニアなら活躍する場が違えども。同じノリで話せそうだ。

それに...と声のボリュームをワントーン下げてテンが続ける。

「クンがCAさんとかに口説かれたりしてるの、あんまり見たくないでしょ。」

何処で変な気を使っているんだ。

「あ、大丈夫だよ。さっきまでクンといたけど、ちゃんと移動したから聞かれてないよ。」

いやだから、

「クンとはそんなんじゃないって言ってんじゃん...」

何回このくだりをやるつもりなんだ。

まあいいや。取り敢えずここまで来てしまったからには、あとは楽しむだけだ。

テンに一応お礼を言ってから電話を切った。