Dream Launch (ページ6)

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六ツ星ページ6

いや、早く帰って休めよ。という言葉を飲み込んで「ありがとう。」と返事をする。

もしかして時差ボケで休む気分じゃないのかも。

そう思っていたら、「はい。」と渡された紙袋。テンの手にも同じものがある。

「お土産。後で渡すって言ったじゃん。」

10時間を超えるフライト後にも関わらず、そう言って爽やかに笑うクンに、恐らく全人類が求婚した。

ほら、隣にいるヘンドリー君も心なしかときめいてるじゃん。

彼なりのときめきスタイルかどうか知らないけど、凄い変な姿勢と表情になってんじゃん。
ついでに奇声も上げている。

好青年仮面をも剥がすクンの笑顔の破壊力すごい。

私の脳内でヘンドリーが好青年から、変ドリーに変換されたところで、ふと窓の外に目を向けたクンが「あ、トリプルセブンだ。」と声を出す。

空港の全面ガラス張りの窓からクンが指差した先を追うが、何も見えない。

ヘンドリーが「ボーイング777のことです。」と補足してくれるが、流石に飛行機の種類ぐらいは分かってるよ、こちとら整備士だぞ。

なんならそれ私がこの間まで整備していた機体だぞ。

隣のテンに、「見える？」と小声で尋ねるが、「パイロットの視力と一緒にしないで。」と返される。

そうだよな。私も元訓練生だったとはいえ、現役のパイロットには敵わない。

自分で見ることを諦めて、クンの瞳越しに見えたりしないかな、と思っていつものようにクンの方に顔を向けると何故か目が合った。