Dream Launch (ページ25)

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Act My Age_2 ページ25

フライト時間が近付く。
完璧な機体を見て私も得意げな気持ちで操縦席を見上げ、手を振った。

最も、小さすぎて見えないが。
パイロットの彼はきっといつものように私に向かって手を振り返してくれているはずだ。

ゆっくりと機体が持ち上がって空へ鉄の塊が飛んだ。
原理も仕組みを全部知っているのにも関わらず、トンを超える重さの鉄の塊が空を飛ぶ様子を見るのは何度見ても感慨深い。

「Aちゃん～！今ならまだギリ航空無線で操縦室の会話拾えるよ！」

キラキラとした悪戯っ子のような顔でテンが告げて来るが普通にアカンやつである。
これだからオタクは才能の無駄遣いだと言われるんだ。と半ば呆れた気持ちになるものの好奇心は私を止めてくれない。

テンが持っている明らかに改造された航空無線のトランシーバーに耳を寄せる。

「ザー…テンあいつ…ザー…後でAの誤解も解かないと…ザー…」
「でも…ザー…割といつも…ザー…ってることじゃないですか…ザー」
「本人に知られるのとそう…ザー…ないのでは全然違うだろ…」

段々とノイズの音が多くなり、飛行機も既に雲の上に隠れてしまった。

「重たい男だねぇ。これくらい重たい方がAちゃんにはいいのかな？」

テンが最大級にニヤつきながら私をからかうように見た。

「さぁね。午後も仕事あるし早く戻ろ。」

わざと時計を見て、その場を立ち去ろうとする。

立ち去ろうと、した。

「ねえ。そんなに警戒することなくない？」

テンが私の腕をつかんで、それを許さなかった。