Scarlet Destiny～アズカバンの囚人〜IV【ハリーポッター】 (ページ3)

今日:6 hit、昨日:6 hit、合計:10,524 hit

153 ページ3

するとハグリッドの裏戸がバタンと開いた。私、ハリー、ハーマイオニー、バックビークはじっと音を立てずに佇(たた)んだ________静寂(せいじゃく)…そして

「どこじゃ？」

委員会のメンバーのひょろひょろした声が聞こえた

「ここに繋がれてたんだ！俺は見たんだ！ここだった！」

ダ「これは異(い)なこと」

死刑執行人がカンカンに怒り、ダンブルドアはどこか面白がっているような声で言った

ハグ「ビーキー！」

ハグリッドが声をつまらせた

シュッという音に続いて、ドサッと斧を振り下ろす音がした。死刑執行人が癇癪(かんしゃく)を起こして斧を柵に振り落としたらしい。それから吼(ほ)えるような声がした

ハグ「いない！いない！よかった。かわいい嘴(くちばし)のビーキー、いなくなっちまった！きっと自分で自由になったんだ！ビーキー、賢いビーキー！」

前の時には聞こえなかったハグリッドの言葉が、すすり泣きに混じって聞こえてきた

「誰かが綱を解いてにがした！探さなければ。校庭や森や_______」

ダ「マクネア、バックビークが盗まれたのなら、盗人(ぬすっと)はバックビークを歩かせて連れていくと思うかね？」

バックビークは、ハグリッドのところに行こうとして綱を引っぱりはじめたが、ハリーとハーマイオニーが一緒に綱を握り、私達は踵(かかと)が森の土にのめり込むほど踏ん張ってバックビークを押えた

ダ「どうせなら、空を探すがよい…ハグリッド、お茶を一杯いただこうかの。ブランディをたっぷりでもよいの」

ダンブルドアはまだ面白がっているような声だった

ハグ「は_______はい、先生さま。お入りくだせえ、さあ…」

ハグリッドは嬉しくて力が抜けたようだった。私達はじっと耳をそばだてた。足音が聞こえ、死刑執行人がブツブツと悪態(あくたい)をつくのが聞こえ、戸がバタンと閉まり、それから再び静寂が訪れた

ハ「さあ、どうする？」

ハー「ここに隠れてなきゃ」

ハーマイオニーは張りつめながら、周りを見回しているハリーに言った