Scarlet Destiny～アズカバンの囚人〜IV【ハリーポッター】 (ページ17)

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ダ｢自分が何を言っているのか、考えてみるがよい。わしが十分前にこの部屋を出たときから、このドアにはずっと鍵がかかっていたのじゃ。マダム･ポンフリー、この子たちはベッドを離れたかね？｣

ポン｢もちろん、離れていませんわ！校長先生が出てらしてから、わたくし、ずっとこの子たちと一緒におりました！｣

ひょこっと涙目の私が布団から顔を出すとマダム･ポンフリーは私の肩を慰めるように撫でた

ダ｢ほーれ、セブルス、聞いての通りじゃ｣

ダンブルドアが落ち着いて言い、私の方を向き、小さくウインクしたので私もダンブルドアだけに見えるようにウインクをした

ダ｢ハリーもカナもハーマイオニーも同時に二ヶ所に存在することができるというのなら別じゃが。これ以上三人を煩(わずら)わすのは、なんの意味もないと思うがの｣

グラグラ煮えたぎらんばかりのスネイプは、その場を棒立ちになり、まずファッジを、そしてダンブルドアを睨みつけた。ファッジはキレたスネイプに完全にショックを受けたようだったが、ダンブルドアはメガネの奥でキラキラと目を輝かせていた

スネイプはくるりと背を向け、ローブをシュッと翻(ひるがえ)し、病室から嵐ように出ていった

ファ｢あの男、どうも精神不安定(せいしんふあんてい)じゃないかね｣

スネイプの後ろ姿を見つめながらファッジが言った

ファ｢わたしが君の立場なら、ダンブルドア、目を離さないようにするがね｣

ダ｢いや、不安定なのではない。ただ、ひどく失望して、打ちのめされておるだけじゃ｣

ダンブルドアが静かに言った

ファ｢それだけではないわ！｣

ファッジが声を荒げた

ファ｢日刊予言者新聞はお祭り騒ぎだろうよ！わが省はブラックを追い詰めたが、やつはまたしても、わが指の間からこぼれ落ちていきおった！あとはヒッポグリフの逃亡の話が漏れれば、ネタは充分だ。わたしは物笑いの種になる！

さてと…もう行かなければ。省の方に知らせないと…｣

ダ｢それで、吸魂鬼(ディメンター)は？｣

ダンブルドアが聞いた

ダ｢学校から引き揚げてくれるのじゃろうな？｣

ファ｢ああ、その通り。連中は出ていかねば｣

ファッジは狂ったように指で髪を掻きむしりながら言った

ファ｢罪もない子供に〝キス〟を執行しようとするとは、夢にも思わなかった…今夜もさっさとアズカバンに送り返すよう指示しよう。ドラゴンに校門を護らせることを考えてはどうだろうね…｣