Scarlet Destiny～アズカバンの囚人〜IV【ハリーポッター】 (ページ20)

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ルーピン先生の部屋のドアは空いていた。ほとんど荷造りがすすんでいた。水魔(グリンデロー)の水槽が空っぽになっていて、そのそばに使い古されたスーツケースが蓋を開けたまま、ほとんどいっぱいになっておいてあった

ルー｢君たちがやってくるのが見えたよ｣

ルーピン先生が微笑みながら机の上にある忍びの地図を指さした

ハ｢いま、ハグリッドに会いました。｣

『先生がお辞めになったと言って…嘘でしょう？』

ルー｢いや、本当だ｣

ルーピン先生は机の引き出しを開け、中身を取り出しはじめた

『どうしてなんですか？魔法省は、まさか先生がシリウスの手引きをしたなんて思っているわけじゃありませんよね？』

ルーピン先生はドアのところまで行って、私とハリーの背後でドアを閉めた

ルー｢いいや。わたしが君たちの命を救おうとしていたのだと、ダンブルドア先生がファッジを納得させてくださった｣

ルーピン先生はため息をついた

ルー｢セブルスはそれでプッツンとキレた。その______ついうっかり、今日の朝食の席で、わたしが狼人間だと漏らしてしまった｣

ハ｢たったそれだけでお辞めになるなんて！｣

ルーピン先生は自嘲的(じちょうてき)な笑いを浮かべた

ルー｢明日の今頃には、親たちからのふくろう便が届きはじめるだろう______ハリー、A、誰も自分の子供が、狼人間に教えを受けることなんて望まないんだよ。それに、昨夜だって、君たち誰かを噛んでたかもしれないんだ…

こんなことは二度とおこってはならない｣

ハ｢先生はいままでで最高の〝闇の魔術に対する防衛術〟の先生です！行かないでください｣

ハリーの言葉に私は頷くが、ルーピン先生は首を振り、何も言わなかった。そして引き出しの中を片付けし続けた

ルー｢校長先生が今朝、わたしに話してくれた。ハリー、A、君たちは昨夜、ずいぶん多くの命を救ったそうだね。私に誇れることがあるとすれば、それは、君たちがそれほど多く学んでくれたということだ。君たちの守護霊(パトローナス)のことを話しておくれ｣