【BL】家政夫を攻略するのは難しい。②【オリジナル】 (ページ10)

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九仕事ページ10

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今日は久世が休みだった。

双葉は、家事(仕事)を手伝われないように、いつもの倍速く動き、自分の部屋に篭った。

それは、久世と話すのが気まずいからである。

平日は、ほとんど仕事で久世と話す機会は少ない。

だがしかし、休日となればどうなるのか想像が容易すぎてお話にならない。

未だに心の整理がつかないまま、恋人関係を結んでしまっている身。

久世の恋人対応を一日中受けていたら、良い意味でも悪い意味でも、精神への負荷が大き過ぎる。

双葉は、ジトリとした視線を送ってくる久世に、期待通りの対応が出来ると思えなかった。

そんな昼食後に、久世は一つの提案をした。

「今日の夕食は外で食べないか」

「え？そ、外ですか」

なんてこと言ってくれるんだ！
と双葉の心は複雑な思いだった。

家事が楽になると素直に喜ぶ、スナオ双葉と

夜に外食って大人のデートっぽい！とドキドキさせる、オトメ双葉と

一日逃げ切れなかったと叫ぶ、オバカ双葉がいた。

「嫌か？」

「え、や、あの、違います、けど」

「…食事代なら俺が払うから安心しろ」

「マジっすか！」

歯切れの悪かった反応と対して、久世の奢る宣言に双葉は目を輝かせた。

家政夫業をやらせてもらって、ある程度お金は溜まっており、奢ろうと思えば双葉も奢れる。

が、

人の金で食べる外の飯は、美味いものなのだ。…少々の気まずさはあるが。

恋人的な反応ではなく、金で釣れてしまったことを受けて、久世は双葉に白い目を送ってしまっていたが、
双葉が気づくことはなかった。

呑気に掃除をするばかりである。

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