【BL】家政夫を攻略するのは難しい。②【オリジナル】 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:35,896 hit

六仕事ページ7

.

「それよりお前ちゃんと仕事できてんの？俺心配でまともな飯食えてないんだけど」

話が変わり、本気で双葉を案じる花道に、双葉はハトが豆鉄砲を喰らったような顔をした。

正直、友人に気にされるのは嬉し恥ずかしな思いだが、双葉は耳に残っている花道の発言を何度か再生すると、だんだん拗ねたような顔になった。
花道にからかわれていると理解したからだ。

「解雇されてないんだから大丈夫」

「よかったな、雇用主は心が広い人で」

三ツ木が優しい目で双葉を見た。
そんな三ツ木に双葉は少しムッとしたが、いちいち反応するのは癪なので黙っていた。

「まー、あの人Aにベタ惚れだからさぁ」

と、佐賀が花道と三ツ木を引き寄せて囁いた。
双葉からは微妙に聞こえない声量だったので、双葉は何言ってるんだという目で佐賀を見ていた。

「なぁるほどぉ」

それに反応したのは三ツ木だった。三ツ木の顔はこれまでになくニヤニヤしている。

三ツ木俊は腐っていた。
そのきっかけが、高校時代花道が家庭教師♂と素晴らしい同性愛を繰り広げていることを知り、少しでも助けられたらといろいろ調べていたらハマってしまったというものだ。

三ツ木は、最近花道が供給をくれないため乾いていた心は新たな供給により一瞬にして潤った。

これでサガフタとか絶対くっつかないリアルに直面しながら妄想しないで済む。

それでも三ツ木が推すのはサガフタだが。

「が、頑張れよA」

少し遅れて反応した花道は、生ぬるい眼差しを双葉に向けていた。

花道淳は経験者として何かアドバイスをすべきか考えた。
相手の立場は違うが同じ釜の飯を食うであろう仲だ。

先輩として何か………と必死に考えても、頭がぱっぱらぱーな花道には無理な話だった。

というか、三ツ木も花道も双葉と久世がくっつくことを前提にしているところは非常にタチが悪かった。

二人に囁いた張本人である佐賀は二人の反応に笑っていた。

「なんだこいつら……」

一人はニヤニヤと。一人は生ぬるい眼差しを。一人は大笑い。
おかしな友人たちにハテナしか浮かべられない双葉だった。

.