【BL】家政夫を攻略するのは難しい。②【オリジナル】 (ページ6)

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五仕事ページ6

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「A！頼人の働いてるとこの社長の家政夫ってマジなの？」

双葉は、友人である花道の家に着いた途端、その家主に詰め寄られた。

「それがマジ」

「マジかぁ…！すげぇ偶然だなー」

オレもそういう偶然欲しいよ、と羨ましがりながら花道は、家の中に双葉と佐賀を通した。
双葉は、苦笑いをしながら慣れた動作で玄関を通り部屋を目指した。

「お、A。社長職の人間とこの家政夫って本当でやんすか？」

目的の部屋に着くと、一人寛いでいた友人、三ツ木が花道と同じことを双葉に聞いた。

「本当でやんす」

「すげぇでやんすな」

サムクなる語尾を付けふざけながらやり取りをする。

それよりも双葉は自分の話の広がりように少し驚いていた。
前会ったとき軽く話しただけで、雇い主がどこかの会社の社長だとかは言っていない。

おそらく佐賀が広めたのだろう。

「ん？」

そう感づいて佐賀をちらりと見たが、何のことか分かっていないようで、佐賀は首を傾げてみせた。

「家政夫って主婦？の代わりみたいなもん？」

と、花道がポテトチップスを食べながら聞いた。

「うーーん、やってることはそうじゃないかな」

「Aって料理出来たんだ。馬鹿にはできないと思ってた意外」

三ツ木がそう呟いたのを、耳ざとく聞き取った双葉はもちろん反論した。

「誰が馬鹿だ。馬鹿でも料理できる世界の人間に謝れ」

「佐賀って料理できたっけ」

双葉の主張をものともせず、三ツ木は佐賀に訊いた。

「出来ると思う？」

「頭良い奴ってだいたい料理できるイメージある」

「実はできないんだなぁ」

「へー、顔と頭はいいのに勿体ないな。今の女子にウケるのは家庭的な男子だってウチの職場の人らが言ってたぞ」

「参考になるアドバイスだ」

花道と佐賀の会話に耳を傾けながら双葉は考えた。

寂しくはないけど、自分の職場って久世しかいないなぁ、と。

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ちなみに花道と三ツ木も料理できない。というかしようとしない。

あと、双葉の友人の名前は覚えなくても支障は多分ありません。