蝶 道。【ブルーロック】【男主】

#20 ページ25

「彼は僕のことが好きなんだ、誰も見向きもしてくれなかった僕に微笑んでくれた、僕は彼を見ていて彼も僕を見た、両想いじゃないか!!!!なんで邪魔するんだよ!!僕たちはこれから愛を育んでいくんだ!!まずは僕のマンションの部屋で同棲から始めて１ヶ月経てば大きな家を買おう、落ち着いたら子供もほしいよね、君は何人ほしい？僕は女の子３人がいいと思うんだけど君の意見も聞いておかないとね、これから二人三脚で子育てしていくんだから。ああ、勿論僕が稼ぐから心配しないで、裕福な暮らしを約束するよ。キングサイズのベットも買いたいし大きなソファーも。風呂場はできるだけ広くしようね、家族みんなで入るもよし、愛を確かめ合うのもよし。ハァ、想像するだけで世界一幸せだよ。楽しみだなぁ新婚生活」

「てめぇバイ菌だらけの手でアゲっちに触れてんじゃねーよぶっ殺すぞさっさと離れて死ね!!つーか殺す!!!」


通りすがりの人たちの視線が痛い。
そりゃそうだ、若者に人気の店が集結した通りのド真ん中で男2人が1人の男を板挟みにし声を荒らげているのだから。それに片方はとてつもなく気持ち悪いことを言っている。動画を撮っている人や、何あれヤバ と指を指しているJKもいる。目の前の汗だくのおっさんは気づいているのだろうか。

事の発端は10分前。
美味しい肉の専門店があると知り、２人してウキウキでこの場に来た。そして店を探しキョロキョロと辺りを見回していると急に尻に違和感が。
触られている感覚。バッと後ろを振り向くとだらしなく太った体から大量の汗を垂らし、ハァハァと臭い息を吐いている男が超至近距離にいて、俺の尻を撫でていたのだ。


『はッ…、』

「さっき!!!!僕と目が合ったよね!!!」

『ぇ、そ、…かな』

「やっぱり!!!!君は僕のことが好きなんだね!!?だから笑ってくれたんだろ!!!!?嬉しいな僕も好きだよ、だから顔をよく見せてマスクを外して＿＿＿＿＿」

「おい、おっさん……なに人のモンに手ェだしてんだー？手、どけろよ。痴 漢野郎が。あっ、もしかして万年発 情期で猿以下の知能数ゼロのバイ菌ちゃんには分からなかったでちゅかー？」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿と、こんな風にドンパチやり始めたことにより今のこの見苦しい状況が出来上がった。

これはまずい。
士道くんがここで暴力沙汰を起こして監獄から強制退去なんてことになったら、困る。俺のことを好きな人は１人でも多くいてもらわないと。
さて………どうしたものかと頭を抱えた。

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