#14 ページ18
食堂でスプーン片手に眠いなあと、うとうとしていると頬に冷たい何かが当たり驚いて立ち上がる。反射で頬に触れると水滴が付いていて汗かと額を拭おうとした手を、誰かに掴まれた。かなり強い力で。
『い゛っ……』
「A、お前なんでこんなところにいやがる」
『あ……照くん』
久しぶり〜中学以来？と笑えばお前は変わってねぇなとバカにしたように、それでも優しく笑い返してくれるのは馬狼照英くん。同じ秋田出身で同じ中学校の１つ上の先輩だった人だ。
「質問に答えろ」
『マネージャーって言ったでしょうが』
「なんで」
『運営の人に知り合いがいて、予算カツカツで人件費足りないからアルバイトにきてくれないかって』
「さっさと帰れ」
『え、やだ』
「あ゛？」
それより片手に持ってる水、俺にくれるの？と聞くともう残ってねぇよと空のボトルを渡された。表面は洗ったあとだから濡れていただけで、中には何も入っていないんだとか。じゃあなんでイタズラしてきたのとボトルを振り回せば、やめろバカ野郎と頭を軽く殴られた。さっきからひどい。
ちなみに照くんも俺にしっかりと告った内の１人だ。
体育館裏に無理矢理連れていかれて真正面から「俺と付き合え」と言われた。だから、『愛を弄んでまでカツアゲはちょっと……』と、保健室の先生が聞いたらブーメランだと言ってきそうな返事をすれば、さっきみたいに「あ゛？」と圧をかけられたのは忘れられない思い出だ。
入学して３日の出来事で、照くんのことを何も知らなかった俺は、本当にただのヤンキーだと勘違いして、正直裏に引っ張っていかれた時は心臓バクバクだった。
思い出すと笑えてくるな、なんて考えていれば隣の椅子にはいつの間にかご飯を持ってきて食べ始めている照くんがいた。お前もさっさと食えよと言われたら、食べるしかないとモソモソ口にスプーンを運んだ。
「夜 お前の部屋に行く。消毒させろ、どうせもう何人か仕方なく入れてんだろ」
『それがまだなんだよね。……照くんが初めてだ』
「他の奴の跡なんて汚らわしいからな。丁度いい、俺以外は入れんなよ。そいつの部屋に連れ込まれんのもなしだ」
『あ、眠くなってきた』
「運んでやるからさっさと飯食え！！」
やっぱ優しいよな。
あれだ、雨の日に捨て猫に傘を差し出してる典型的な優しいヤンキーみたいな。俺 猫じゃないけど。
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りす(プロフ) - 執着するキャラと執着されるのがうれしい？夢主君の絡みが最高です！応援しています！頑張ってください！ (8月24日 1時) (
レス) @page27 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
匿名A - 絵心さんに執着される作品にあまり出会えなかったのでこの作品の存在はとてもありがたい...！もう、本当にありがとうございます！あ、私にも是非お薬をお恵みください...！ (2023年4月5日 23時) (レス) id: 8c0fc4ee3d (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - Miyuyuさん» お薬ご用意致しますので奥の席にてお待ちください🙌あのお美しき海賊女帝様ですか!?是非見させていただきたいですね、、 (2023年2月25日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
Miyuyu(プロフ) - 表紙でア、コレはヤバいヤツ(好き!)だと思って読み勧めていたら見事にハマって抜け出せなくなりました!コレは麻薬か毒ですね💉続きの処方をお願い致します。ちなみに夢主を某海賊漫画の女帝をイメージして自分で描いてみましたがいかがでお思いでしょうか？ (2023年2月25日 22時) (レス) @page17 id: 271e07fdef (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - アクアクさん» ありがてぇ (2023年2月25日 17時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花紅柳緑
| 作成日時：2023年1月7日 14時
