#10 ページ13
「おい、この手形はなんだ？」
無理矢理連れられたのは小さめの個室、大きなソファとクッションがあることから多分仮眠室だろう。
で、そんな部屋の面積のほとんどを占めているソファに乱暴に放り投げられ馬乗りされているのが現状だ。
「誰つけられた、答えろ。なあ、おい」
『……友達に』
「名前を言え」
うーん。ここで甚八くんの名前を出すと捕まっちゃうからなぁ、そもそも成人と未成年だし。プロジェクト続けられなくなっちゃうし。
『落ち着いて冴くん』
「あ゛？さっさと問いに答えろ。お前に痕を残しやがったクソクズゴミ野郎はどこの誰かって聞いてんだよ」
『……じ、ぶんで、つけ』
「嘘ついてんじゃねぇよ…！！！」
バシッ
音がなった数秒後に頬に強烈な痛みが走った。殴られたらしい、冴くん力あるなぁ。と、赤くなっているであろう頬を押さえながら濁った瞳を見つめる。
「痛いか？でもお前が悪いんだろ。早く言わねぇなら、」
『だから、自分でつけたって＿＿＿』
「あ゛あ！？」
『ごめ、』
「ごめんじゃねぇよ」
ちょっとミスったかも、なんて思いながら頬から手を離す。痛みも引いてきたし刺激しなければ＿＿＿＿＿
バキッ
『ぁ、い゛っっっ』
「なんで、なんで。俺だって心苦しいんだぜ、お前を殴るのは。でもお前が全部悪いよな？」
先程とは比べものにならないぐらいの痛みが顔中を駆け巡る。たらりと、生暖かい何かが鼻から垂れた感じがした。鼻血だ。冴くんはそれを掬い、俺の唇をこじ開けて口内をかき回すように、グチュグチュと塗りたくった。
『ん゛ぢ、ゅ……』
「どうだ自分の血の味は、うまいか？血と唾液で顔面ぐっちゃぐちゃで汚ねえな。……こんなことされてんだから泣けよ、それともこんなことされ慣れてるってか。マジでふざけんなよ」
『んぶ、っ……あ゛ッ、』
血と唾液が混ざった液体をぢゅる、と吸うように舐めたあと首元に顔を埋めたと思えばおもいきり鎖骨部分を噛まれた。ガリィッと、怖い音を立てて。
あまりの痛さに自分の顔が酷く歪んだのがわかる。これ鎖骨にひび入ったかもしれない。
「…………やりすぎた、意識あるか」
『なん、とか……うん。へーき、へーき』
へらーと笑うと安堵の表情を浮かべ頭を撫でられた。
満足そうだから一応誤魔化せたみたいだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1073人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りす(プロフ) - 執着するキャラと執着されるのがうれしい？夢主君の絡みが最高です！応援しています！頑張ってください！ (8月24日 1時) (
レス) @page27 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
匿名A - 絵心さんに執着される作品にあまり出会えなかったのでこの作品の存在はとてもありがたい...！もう、本当にありがとうございます！あ、私にも是非お薬をお恵みください...！ (2023年4月5日 23時) (レス) id: 8c0fc4ee3d (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - Miyuyuさん» お薬ご用意致しますので奥の席にてお待ちください🙌あのお美しき海賊女帝様ですか!?是非見させていただきたいですね、、 (2023年2月25日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
Miyuyu(プロフ) - 表紙でア、コレはヤバいヤツ(好き!)だと思って読み勧めていたら見事にハマって抜け出せなくなりました!コレは麻薬か毒ですね💉続きの処方をお願い致します。ちなみに夢主を某海賊漫画の女帝をイメージして自分で描いてみましたがいかがでお思いでしょうか？ (2023年2月25日 22時) (レス) @page17 id: 271e07fdef (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - アクアクさん» ありがてぇ (2023年2月25日 17時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花紅柳緑
| 作成日時：2023年1月7日 14時
