#23 ページ27
士道龍星とA・ユウェルの初対面は、少女漫画的なものであった。
士道は第一試合で消化しきれなかったゴールへの欲を発散するため、とにかくシュートを打っていた。
スパッ、と軽快な音を立ててゴールへ吸い込まれていくボールを見てやはり物足りないなと飽々して八つ当たりで壁に向かってボールを蹴った。
壁に当たりボールが自動ドアの方へ跳ね返った。
そしてドアに当たったボールが地面にころりと落ち__________なかった。
ボールが自分の元へ返ってきたのだ。
しかも速度も威力も倍の、最高のパスとして。
全身を使い思いっ切り蹴る。
ゴールど真ん中にズパンッと重い音を立てて入ったボールが足元に転がってきて、空気の抜ける音と共にしぼんだ。
「ナイスシュート。お前すごいね」
『お、A・ユウェル』
「士道龍星だよね、最高じゃん」
『あのパスはお前が蹴ったのかよ』
「そう。ボール飛んできたからさ、丸いものが目の前にあったら蹴るだろ?」
ぺちゃんこになった黒と白の物体をつまみ上げ、顔の近くに持ってきて こちらに見せつけながらふにゃりと笑った彼に士道の心臓は大きく鼓動した。
すげぇ、と、純粋に思った。
爆発をビンビン感じている。
気づけば彼に覆い被さっていた。
困惑したような声が下から聞こえるがそんなことはどうでもよかった。
すき すげぇすき どくどくする 全身で感じるこの高揚
足の爪先から髪1本に至るまでが燃えるように熱い
『もう1回!!もう1回やろうぜ!!』
「暇だしいいよ」
『じゃあ今日はずっとここにいろよ』
「就寝時間になったら帰る」
『帰すわけねーだろ♪』
なんて素晴らしい出会いなのだろう。
たまたま跳ね返ったボールから〜〜なんて、食パン咥えた美少女が通学途中にイケメンと曲がり角でぶつかったことから始まるラブコメみたいじゃないか。
漫画みてぇなこと本当にあるのか、と思いながら自分より低い肩に腕を回した。
『朝までヤろーぜユーちゃん』
「くたばんなよ龍星」
「あ゛ぁ゛…あ゛っ♡♡、あぐッ…、ああ゛っ♡♡♡」
『フゥ〜〜〜ッ、〜ん゛ッ、よすぎだろっ♡♡』
「んグゥ♡、ん゛あッ、イ、…イグッ♡♡イ゛〜〜ッ♡♡」
『お゛ッッ、♡♡これで孕めたらサイコー♡♡』
「おとこだからぁッ♡♡むりなのぉ、ッ♡♡」
普段は底にあるタイルの見える透き通った水が、白く濁っていく。体は熱いがプールのなかは冷たくて、永遠にやれるなと腰を動かした。
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ミヒャエル - これ、続きって出ないんですか?この作品が好きでなんでも読んでしまうので早く見てみたいです! (5月12日 9時) (レス) id: 75c64eb483 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私男主の愛され大好物なので嬉しいです!ビーコンレタスもイケマス()ブルロのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年4月29日 18時) (レス) @page2 id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - 天使。さん» ありがとうございます〜!!とっても嬉しいです!! (2023年3月3日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
天使。 - 最高に面白い作品です!!見ててニヤニヤが止まりません!!すごい好きです!! (2023年3月3日 21時) (レス) @page25 id: 68ee57cead (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - レモネードさん» そんなに前から読んでいただけて幸せです😢💓とても素敵なお言葉に感激してしまいました、時間のある限りは沢山の作品を書いていこうと思っているのでこれからもよろしくお願いします (2023年2月4日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花紅柳緑 | 作成日時:2022年12月3日 17時