狙うは世界一の妻【ブルーロック】【男主】

#21 ページ25

「マジで貸し切り？」

『貸し切り 貸し切り。存分に遊んでいいよ』

目の前に広がる長方形に囲まれた水がちゃぷん、と揺れた。勢いよく中に飛び込んでいく士道に溺れるなよ〜と笑い、プールサイドに設置された椅子に腰を掛けた。

着替えを終え合流したあと、何がしたいと問えば体を動かせればなんでもいいと返ってきたので悩んだ結果、水泳をすることに決めた。どうせなら二人きりで楽しみたいと思い、友人の管理している屋内プールを宣伝と広告のモデルをすることを条件に貸し切りにしてもらい今に至る。

飛び込み台、ウォータースライダー、流れるプール、温水プール等々、アクティビティ盛り沢山のこの場所は１日を過ごすのに飽きないだろう。


自分はサッカーが全てではないし、一生をサッカーで終えるつもりもない。遊びたいときに遊ぶし、やりたいことをやる。
絵心は必ず世界一のストライカーを創るのだから、それを待っていればいいだけ。


そしてこれは、"それ"を掻っ攫う準備をしているのだ。
監獄からたった１人生き残り、ノエルを越え世界一になった人間を絵心から奪い取る。

アイツは自分の創った最高傑作を易々と誰かにくれてやるような奴ではない。俺自身も端から利用されているだけだろう。

結婚させる気なんてないだろうなと髪先を指で遊ぶ。誰だって自分の生涯を掛けて創った作品を他人に渡したくない。ならどうするか、貰えないなら奪えばいいのだ。

時間はまだある。じっくりと、旦那候補たちにA・ユウェルの存在価値を植え付け、欲させるのだ。

絵心ではなく、Aを選らばせる。
ヒロインがハッピーエンドを迎えるための当て馬役になってくれ、愛する友人よ。




「ユーちゃん。滑りにいこうぜ」

『スライダー初めてなんだよね、楽しみ』

「俺もー」



ああ、悔しさで顔を歪める友人を想像しただけで楽しくなってきた。やっとだな、と祝福するおかあさんとおとうさんを想像して足取りが軽くなった。









結婚したら 即離婚して 死のう。








『ほんと楽しみ』








行き着く先が地獄でも

「A!!早く公園行こうぜ!!」




君がいるなら ハッピーエンド。
















＿＿＿＿＿
おかしい、今回は士道とのイチャイチャ回を書くはずだった。

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