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ああ、なんて最高な時間なんだろう。
「じゃあ始めるよ、世一はゴールに向かって真っ直ぐに走りな。俺がお前のシュートを1番良い形で打たせてあげる」
『はい!!』
そういうことだから借りてくね。と、手を掴まれ周りの制止の声も聞かずに連れてこられたのはペナルティエリアサイズのコートがある部屋。
早く早くと部屋の隅に置かれたカゴの中からボールを持ってきてリフティングを始めるAさんに胸の高鳴りが止まらなかった。
うわリフティングまで顔みたいに綺麗なんだな、と思った頭を左右に振った。ダメだ 今はサッカーに集中。
俺とゴールの距離は僅か数メートルなのに対して、Aさんは1番遠いところ、俺との距離は30メートルぐらい。
ポン、と蹴られたのは低く速い地面を這うようなグラウンダーパス。いや 待て。嘘だろ。
速い めちゃくちゃ速い
ボールがまるで弾丸のように真っ直ぐこちらに向かってくる。あれをトラップすることなんてできるのか?あれだけの速さだと相当重いはずだ。トラップできたとしても足を蹴りあげられるのか?いや、きっと重さに耐えきれずに転倒するだろう。
じゃあどうすればいい、Aさんはなんでこのパスを選んだ?"俺が1番良い形で打てるパス"を出すと言っていた。ノア様のライバルでもある人のパスだぞ。よく考えろ俺。理由があるはずだ。きっとAさんは俺が気づいていない俺のシュートの形に気づいてる。
まずトラップを__________
『トラップ……?』
トラップすると打てない。Aさんはわざとトラップできないパスを蹴った。
そうか……!!つまり!!
『トラップしなきゃいいってことだろ!!』
「大正解、ナイスシュート」
スパッ、と軽快な音を立ててゴールにボールが吸い込まれていった。
なんだこれ なんだ今のシュート なんだあのパス
気持ちい…………真夏の練習終わりに汗だくの体が冷たいシャワーを浴びた瞬間のような爽快感。
すっげぇ打ちやすかった。こう、角度とかボールの回転とか、全部が俺の足にフィットして。
これが世界一のMF A・ユウェルのパス。
『もう1回!!お願いします!!』
「任せな ストライカー」
あ〜〜〜〜〜〜好きだ。
楽しそうに笑うこの人が 大好きだ。
世界一のストライカーになれば結婚できる。
してぇ。結婚。
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ミヒャエル - これ、続きって出ないんですか?この作品が好きでなんでも読んでしまうので早く見てみたいです! (5月12日 9時) (レス) id: 75c64eb483 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私男主の愛され大好物なので嬉しいです!ビーコンレタスもイケマス()ブルロのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (2023年4月29日 18時) (レス) @page2 id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - 天使。さん» ありがとうございます〜!!とっても嬉しいです!! (2023年3月3日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
天使。 - 最高に面白い作品です!!見ててニヤニヤが止まりません!!すごい好きです!! (2023年3月3日 21時) (レス) @page25 id: 68ee57cead (このIDを非表示/違反報告)
花紅柳緑(プロフ) - レモネードさん» そんなに前から読んでいただけて幸せです😢💓とても素敵なお言葉に感激してしまいました、時間のある限りは沢山の作品を書いていこうと思っているのでこれからもよろしくお願いします (2023年2月4日 22時) (レス) id: 53a75dcec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花紅柳緑 | 作成日時:2022年12月3日 17時