機械人形師【ONEPIECE】

#17 ページ18

「俺はウソップ!!!勇敢なる海の戦士になる男だ!!!」
「……ロロノア・ゾロだ」

慌てるように名を叫ぶ男と、警戒しながらも少女の顔を見た途端にぎこちない動きになった男

そんな二人を見て人形師はなにか違和感を持たれたかと思ったがそんな思考はすぐに放棄した
何故なら自分は完璧な状態なのだから、堂々としていればバレるなんてことない


「死んで骨だけブルックと申します」
「俺はフランキーだ」


骸骨に改造人間(サイボーグ)
部下達が見たら泣くのではないだろうか、絵面が怖い



『ラレグです』
「ラレグさんはこの島の方なんですか？」
『いいえ、初めて来た島です』


「じゃあラレグも海賊なのか？」
『じゃあって……ルフィさんには私が海賊に見えるんですか？』
「見えねぇ!!」
『…………』



「固まっちまったじゃねぇか!!!」
「ごめんなさいね、一応悪気はないのよ」
「もとから表情筋は動いてねぇだろ、手に持ってる人形みてぇにな」


「!!そうだラレグ、その手に持ってる人形ってーー」



チョッパーがそう少女に話し掛けた瞬間だった、彼女の纏う空気が重くなったのは
一味は背筋を伸ばした、この感覚を知っているから



『いま、今……』


彼女の顔が曇っているのが分かる
ｷﾞｷﾞｷﾞと壊れた機械のようにチョッパー、そしてゾロに目線をやった


『………この子を人形と呼ぶーー』


その続きは聞き取れなかった
ルフィがその場に似合わない明るい大きな声でこう発したからだ

「そいつお前に似合ってるな!!!カワイイってやつだろ!!」



ーーと、



刹那、世で最も美しい花が咲いたかのような光景を周りにいた全員が目にした。ぶわりと、真っ白な少女の顔が一瞬にして真っ赤に染まったのだ
大きな目は見開かれ、林檎は呼吸を忘れたように小さく開き、ふわりとレースが風に靡いた



ああ、これこそがーーー



『う、あ……』



ーーー天使




『る、ふぃ、、いま…なんて』

「似合ってる!!!ラレグにぴったりだな!!」

『っあ、……』



はくはくと言葉になっていない声を出す少女から誰もが目を離せなかった





『…………そう!!そうだろう!!ぴったり!!!ああ!』


『この子は可愛いだろ!!!!!』




心の底から嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、両手で握りしめながら目の前に"お似合い"を出してくる少女にルフィは目を見開いた


パチパチ キラキラ ーーー 初めての感覚

瞳に映る世界が一層輝きだした瞬間だった

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