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「A?
こんなとこで何してんの?」
なぜか非常階段に現れたのは
私が今考えていた、毒舌帝王だった。
「え?え?A泣いてる?
どーした?!なんかあったのか?なんかされた?」
『みじゅきぃぃ、、みずっぐぐんんん、』
「もーなんだよ笑なにがあった笑」
『 私、もうこの仕事向いてないんじゃないかなって。
最近、仕事の量も減ってるし、演技が上手くできない。
監督に、なんか何かが足りないって、言われたの。
自分で分かってたけど、言われるとさ笑
きつくて』
その時、みずっくんの、優しい果実のような匂いが
鼻を掠めた。
みずっくんは私の頭に手を置いて、
「俺、前も言ったと思うけど、
Aの演技、好きなんだ。ものすごく。
表情が柔らかくて、どんな役でもピッタリ来てて、
俺もこんな役者になりたいって、いつも思う。」
「俺の憧れなんだ。だから、もし誰かがAの演技に悪い評価してても、俺は絶対この演技いいなって、
思うよ。」
「いつかさ、Aと同じドラマに出て、共演して、
一緒に演技してさ、エンドロールに2人の名前が乗ってる、っていうのがさ、俺の新しい夢なんだよね笑」
「だから、それまで、やめないでよ。
俺のためにさ。」
すごい、嬉しかった。
その言葉が。
『 みずっくん、ありがとう』
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作者名:まる | 作成日時:2022年2月15日 21時