2度目の恋はどうですか？ (ページ29)

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帝王ページ29

『ごめん、橋本くん、
ちょっと宅配来たから、待っててくれる？』

「おせーよ、笑」

橋本くんがなんか言ったけど、よく聞こえなかった。

「はーい、いまあけまーす、

って、みずっくん？！？！」

そこにいたのは神妙な面持ちをした、
瑞稀くんだった。

「A、今から俺が言うこと、ほんとだから、
真剣に聞いてほしい。

初めてAをテレビで見た時、
自分と同い年なのにこんなに演技が上手い子がいるんだって思って、純粋に会ってみたいなってずっと思ってた。

忘れもしない14の春、NHKの食堂でAを見つけた。そんとき、ほんとにびっくりした。
でもAは思ってた通り、仕事に真剣で、
面白くて、優しくて、俺のわがままにいっつもつっこんでくれた。

それからずっと、Aがテレビに出てると、
俺も頑張ろって、気持ちになれて、
でもどんどんAの名前がテレビに出るようになって、正直俺の事なんか覚えてないだろうなって思ってた。だから、食堂で4年ぶりに再開した時、
俺のこと覚えててくれて、すっげぇ嬉しかった。

これからもそんな日々が続けばいいのにって
思ってる。

昔Aに言った、俺の夢叶ったんだ。
Aと共演して同じ映画に出て、エンドロールに
2人の名前がのる。

この夢が叶ったら、ずっと伝えようと思ってた。