Episode 12 ページ14
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「はぁ......全然書けない」
書いた文字を消すように、ペンで上から文字を塗りつぶす。
この動作を永遠に繰り返し、早3時間。
隣に並べられた提出用の白い紙は空白のままだ。
約1週間前のこと。
代表に呼び出されて、「デビューアルバムの収録曲を書いてみないか?」とチャンスを貰った。
まだウジオッパが練習生だった頃、オッパに作詞作曲の仕方を教えてもらって以来、私も自分で楽曲を考えるようになった。
月末評価で何度か自作曲を披露して以来、代表は私の音楽性を評価してくれるようになった。
そのかいあってか、私に今回与えられた「デビュー曲のプロデュース」という機会。
私は絶対にこのチャンスを掴むと心に決めた。
でも、どれだけ書いても自分の心にくるものがない。
代表から貰った時間は1ヶ月。
この間に作詞作曲をほぼ仕上げなければならないのに、スタートラインに立ったまま1歩も踏み出せない。
「はぁ.......どうしよう。」
何度目か分からないため息をついて、またペンを握る。
『コンコン......』
誰かが作業室のドアをノックした。
「はい.......」
ここを訪ねてくるのは一体誰なのか不思議に思いながらも、椅子から立ち上がってドアを開ける。
WZ『よっ!』
ドアを叩いた主はウジオッパだった。
「オッパ!久しぶり!」
WZ『久しぶり。Aにデビューのお祝いを伝えたくて、練習室に行ったら、ハヨンにAは作業室に居るって教えて貰って.....
まずはデビューおめでとう!!』
「そうだったんだ。わざわざありがとう〜!」
WZ『で...曲作ってるんだって?代表に聞いた。』
「そうなの.....収録曲任せてもらえて。
でも今までスラスラかけてた歌詞が、まったく書けなくて....書いては消してを何度も繰り返したままって感じ。」
WZ『そっか.......俺もそんなことあったなあ。』
「オッパにもそんな時期あったんだ.....」
WZ『もちろん笑』
オッパは昔を懐かしむように、軽く笑ってそう言った。
WZ『そういう時は自分の想いをとにかく書き出してみるんだ。辛い想いも、逃げ出したい想いも、ぜんぶぜんぶ。それを書き続けてたら、きっと自分が何を伝えたいのかだんだん見えてくるもんだよ。』
「なんか私、上手く歌詞を書かなきゃいけない。って思って、自分を飾って歌詞を書いてたのかも.....
なんかわかった気がする。ありがとう。」
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nnn(プロフ) - 待って夢主のMBTIがわたしのMBTI と一緒だ!笑 めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2022年8月24日 2時) (レス) @page11 id: 69c5723c5b (このIDを非表示/違反報告)
y - 更新とてもはやくて嬉しいです💗この作品とても好きです!!応援してます🫶🏻🤍 (2022年8月23日 21時) (レス) @page15 id: 1fdcfd82cb (このIDを非表示/違反報告)
桜とおもち(プロフ) - サナさん» ホントですよ!! って今見たら、めちゃくちゃ更新されてる?! うわぁ!今から読ませていただきますね✨ 更新は、無理しない程度に頑張って下さい! 右星&お気に入り失礼します! (2022年8月22日 1時) (レス) @page2 id: acf700690e (このIDを非表示/違反報告)
サナ(プロフ) - 桜とおもちさん» わああ!本当ですか!?私自身初作品で、物語の始まりをどう書こうかすごく悩んでいたので、そう言って貰えてすごく嬉しいです!!更新ゆっくりにはなってしまいますが、皆様に楽しんでいただけるよう、頑張ります!!! (2022年8月22日 1時) (レス) id: 7db5df359a (このIDを非表示/違反報告)
桜とおもち(プロフ) - でだしがまず面白そう!! 更新頑張ってください(^^) (2022年8月21日 21時) (レス) @page1 id: acf700690e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Rei | 作成日時:2022年8月21日 21時