月夜の願い。 (ページ25)

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｢おはようございます北山さん今日からこちらの病室で過ごしていただきます。｣

｢はい｣

｢ではまた呼びに来ますので着替えてベットに横になってお待ちください。｣

｢はい｣

はぁ。にしても広いな。

広いと寂しくなるだけなのに。

仕事したくなるだけなのに。

メンバーに会いたくなるだけなのに。

太輔の胸へ飛び込みたくなるだけなのに。

神様また戻れるかな？僕。

笑顔で会えるかな？みんなに。

輝けるかな？ファンの前で。

もう死ぬ事を考えなくなるかな？一生。

ずっと隣にいれるかな？太輔のそばに。

それともこのまま死んでしまうかな。

怖いよ。

前よりもずっと。

僕がいない世界をいつも想像するんだ。

でも絶対俺の想像する世界は忙しく回ってる。

止まることなんてなくて僕のことなんてまるでどうでもいいかのように、

僕なんて最初からいなかったかのように動いてるんだ。

だから余計怖い。

ホントにそうなってしまうようで

皆僕を忘れてしまうようで

怖いんだ。

神様お願い。連れていかないで？