月夜の願い。 (ページ3)

今日:5 hit、昨日:17 hit、合計:56,529 hit

3 ページ3

ki side

次の日は7人での仕事だった。

余命宣告の日まで短くてあと1年。長くて2年になっていた。

もしかしたらカウトダウンをみんなで出来ないかもしれない。

クリスマスまで生きれるかもわからない。

余命宣告って怖いもんだな。

いつまでに死ぬかアバウトには分かるけど結局はいつ死ぬか分かんないんだ。

そんなこと考えながら楽屋へ入った。

s･2「「ミツ～！おはよっ！」」

「おはよ」

相変わらず仲いいなと思いつつ大体みんなに挨拶を済ませていつもの所定の位置につき時間が来るまで眠りについた。

t「ミツ～！起きて～！仕事ですよ～」

「んっ…はよ」

t「はいおはよ(笑)みんな待ってるよ～」

「まじっ？！やべっ」

t「うそぴょーん(笑)でももうすぐスタジオ入んないと怒られる時間になるよ～早くおいで～」

「おう～…ん？」

t「どうしたの？」

「このブランケットだれの？」

t「知らな～い」

「まっいっか。よし行くぞ～！」

後で誰のか聞けばいっかと思ったけど起きた時に鼻をかすめたこの匂いはほかの誰でもなくアイツのだって気づいた。

「やることなすことキングすぎんだろ…」

t「ん？なんか言った？」

「いや！独り言(笑)」

t「あら～おじいちゃんになったら独り言増えるの？(笑)」

「誰がおじいちゃんじゃ！」

ふざけ合いながらスタジオに向かうとその数分後ぐらいに藤ヶ谷と横尾さんがやってきて仲いいなほんとにと思いつつ胸が苦しくなった。

きっとこれも病気の症状なんだと言い聞かせた。

嫉妬じゃない。違う。何度も心中で唱えた。

収録が始まる三分前に向かいの席にいたアイツと目が合って「ブランケットありがとう」って口パクで言うと「どういたしまして」とあの時みたいに優しくて愛しい笑顔で返ってきた。

あぁ。好きだって単純に思った。

そんな中始まった収録。

数時間して終わりお疲れ様でしたって言ってスタジオを出た瞬間だった。

息ができない。息の仕方が分からない。やばいこのままじゃ余命宣告前に死ぬ。

パニックになりつつあるから余計呼吸が乱れる。

そんな時「北山？！大丈夫？！」
あぁ綺麗だって思った。今君の瞳には俺かしか写ってない。そのまま僕のものになってくれないかな。そこで俺は意識を手放した。