69話 ページ19
目黒「あの、さっきからなんなんすか」
「れ、ん……」
目黒「なんであんたたちに言われなきゃいけないんすか。関係ないっすよね？適当なこというのやめてもらっていいっすか」
『な、によ！あんたこそ関係ないじゃない！』
目黒「なくないです。Aは俺の大事な人なんで」
「……え？」
大事な人。そう言って蓮は涙が溢れそうな私の頭を引き寄せ、庇ってくれた。
それって……？
すると、
バン！！
勢いよく扉が開き、みんなが一斉にそっちを向いた。
深澤「ハァっ、、。………そこまで」
どうやら走ってここに来た様子の深澤先輩の登場に、お隣ガールズ達が驚きで空いた口が塞がらない、といった様子だ。
目黒「……遅いっす」
深澤「っ……ごめん」
目黒「これ以上つらい思いさせるんだったら遠慮なくもらいに行きますから」
深澤「……もうしない、絶対」
頭上でやりとりされる2人の会話に耳を傾けていると、トンっと蓮に深澤先輩の元へと押し出された。
「……え」
蓮「いってこい」
よろよろと深澤先輩の元に押し出された体は、ポスっと先輩の胸に収まった。今度は深澤先輩にギュッと抱きしめられている。
深澤「ごめんね。Aちゃん。………あのさ、もうこの子にいろいろ言うのはやめてくれないかな。俺が聞くから。」
『辰哉、、なんでっ！』
深澤「俺も、、この子が大事なんだ」
「！！」
深澤先輩のその言葉に、息を忘れるほどの衝撃を受けた。
え……？聞き間違え、じゃないよね？？私のこと、、大事？？え？？
深澤「ふは(笑)Aちゃん、ちょっと向こういこっか」
あまりの衝撃に固まっている私を、深澤先輩は優しく連れ出してくれ、使われていない教室に2人で入った。
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作者名：ねこ | 作成日時：2023年12月17日 13時
