IRI$ Seven (ページ10)

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数分後、黎の姿を見た大光は固まっていた。

大光「……不審者じゃん」

黎は普段からつけている仮面の上からマスクをつけて、パーカーのフードを目深に被っていた。大光の言う通り、側から見たら完全に不審者である。

黎「こうでもしないとさ、ほら、行くよ」

大光「へいへい」

大光は絶対に黎の素顔を見てやる、と闘志を燃やしていた。

大光「矢花、あれ食べたい」

外に出て早速大光は黎に食べ物をねだった。

黎「え〜、まあ、いいけど」

黎に食べ物を買ってもらった大光は自分で一口食べた後、黎に差し出した。

大光「矢花、あ〜ん」

黎「え、ちょ」

大光の行動に黎は狼狽えた。

大光「ほらほら」

黎「ちょっと待って」

黎は大光から受け取ると素早く大光に背中を向けてマスクと仮面をずらして食べ物を放り込んだ。

黎「ん、美味しかった」

大光「……」

大光は黎の顔を見ることができずに不貞腐れたものの次の機会を考えることにした。