IRI$ Seven (ページ9)

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黎「すみません、本日佐々木大光を外出させようかな、と思っているのですが……」

黎はVoidの責任者にある許可をもらいに行こうと赴いていた。

「佐々木くん？」

黎「はい、彼のバイタルとメンタルもだいぶ安定してきましたし、外の環境に触れることで生じる変化及び他の被検体たちへの影響を調べてみたいので」

「う〜ん……たしかに外の環境に触れることも大事だと思う。でも、誰が付き添うの？」

黎「それは……私がいこうと思っています」

「……大丈夫？」

責任者が心配するのも無理はない、黎はいつでも顔を覆うように仮面をつけており、その素顔を見たことのある人は数少ないと言われている。

めったに外出しない彼が仮面をつけたまま外に出れば、それこそ好奇の目に晒される。

黎「大丈夫です、策はあるので」

「わかった、許可を出すけど、でも絶対に2人とも無理しないこと、なにかあったらすぐ帰ってきて」

黎「わかりました、ありがとうございます」

責任者から許可をもらった黎は大光の部屋へと向かった。

黎「大光、起きてる？」

大光「どうした矢花」

黎「外、出かける？」

大光「……！？」

大光は黎の発言に耳を疑った。自分は絶対にここから出ることはできないと思っていたためである。

大光「ほんとに？」

黎「ほんとに。俺も一緒だけど」

大光「っしゃあ準備するから待ってて！」

テンションの上がった大光を見ながら、黎も準備を始めた。