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食事を終えた海人は満足そうにカフェを後にした。
「おこちゃまがこんなところにいたらダメだろww」
決していいとは言えない夜の街を歩く海人に、普通ならかき消されるであろう声が聞こえた。
「うっ……どうしよう……」
「やばいよ、逃げないと……」
海人は店を探すそぶりを見せながら周りを見渡すと、男性に脅されている子供が2人いた。脅している方もかなり年齢が若く、未成年に見える。
海人「なにやってんの?」
「お、俺はただこいつらに危ないだろって話してるだけで」
海人「凶器を隠し持っていながら?」
海人が少年のふところを見ると、そこにはナイフが隠されていた。
「……護身用だよ」
海人「あっそ。にしてもこの子達への話しかけ方間違ってるだろ、あとは俺に任せろ」
「……ケッ」
少年が立ち去った直後、海人は電話をかけた。
海人「あっ、すみません、××街の方で子供に脅迫してきた人がいたので捕まえてください、目印は大きなネオンの看板です。はい、ありがとうございます」
海人は電話を切ってから子供たちに向かい合った。
海人「もう大丈夫だよ、悪い人はすぐに警察が捕まえてくれるからね」
「あの、ありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
海人「気をつけて帰ってね」
「「バイバーイ!!」」
海人「ふふっ、バイバイ……さてと……」
海人が子どもたちを助けてから足を進めた先は、緑の建物……ヴェルデ教の教会だった。
海人は入り口に入る前に懐から緑の宝石の嵌め込まれた指輪を取り出して身につけた。
海人「神よ、本日もお守りいただきありがとうございます」
海人はそう告げると教会の中へ入っていった。
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作者名:氺 | 作成日時:2021年11月29日 22時