IRI$ Stealth (ページ7)

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光成「竜生、ありがとう。俺のこと、まだこうやって気にかけてくれて」

Voidの中にいる少年……檜山光成は竜生からの声を聞き取ったようにつぶやいた。

光成には、遠くの人の声を聞く力があったが、これはVoidの実験で後天的につけられたもの、さらに光成含め今も閉じ込められている人は失敗作と呼ばれていた。それは……

光成「ううっ……ぅああああああ！！！」

突然光成が頭を抱えてうずくまった。失敗作、それは自分の力をうまく扱えない人を指していると言うこと。光成の場合は遠い人の声を聞く代わりに頭痛を起こすものだった。

しかも失敗作は能力よりもその代償のようなものが出ることが多い。

ドタドタと言う音、ドアを開く音が頭に直接響くようで光成は耳を抑え続けた。

「檜山くん」

優しい声が聞こえてきて、光成が顔を上げるとVoidの責任者の姿があった。

「檜山くん、大丈夫だよ、怖かったね、痛かったね」

責任者は優しく光成の頭を撫でた。光成はただそれを受け入れ、いつのまにか眠りについた……