Giurare (ページ32)

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｢にいちゃん達は、この村の為に戦ってくれたんだよね？さっきさ、村の人達皆、涙目でにいちゃん達にお礼言ってたよ。俺達兄弟のお陰で、あんな残酷な事しなくて済むようになった、って。俺からしたら、にいちゃん達は、もう帰ってこないし、寂しくて悲しいけど、俺、にいちゃん達が誇りだよ。｣

普通の会話みたく、話しかける。他人から見たら今の樹はただの独り言を大きい声で喋っている変人に見えるのかもしれない。ただ、樹からすれば、話し相手は絶対目の前に居るのだ。それが墓石だったとしても、その相手はここに存在している。

｢…じゃあ、もう行くね。俺、あいつ1人にさせられないし、俺もあいつ居ないとひとりぼっちになっちゃうからさ。また、来るね。絶対。｣

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｢あれ、樹。もう良かったの？｣

ベンチに座って海を眺めていたジェシーはすぐに樹が戻ってきた事に気がついた。樹の目は少し赤くて頬にも泣いた痕が残っていて、優しく頬を撫でた。

｢うん、ちゃんとお別れしてきた。あと、ジェシーの事も話したし、もう大丈夫。｣

え！俺の事話してきてくれたの？やだあ、じぇちぃ照れちゃう！！なんて大声で言ったジェシーはスルーして来た道を1人で戻る。

｢ねぇ～、じゅりぃ！樹ってば！置いてかないでよ！｣

なんて言って追いかけてきても長い足のおかげですぐに追いつかれる。
今日は雲ひとつない、青空で世界は満ちていた。