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冷気がピークに達してきて流石に体も冷えてきたので孤児院に引き返す事になった。
2人してさみー、といいながら孤児院の扉を開けると、高地とジェシーがすごく焦った顔で玄関を見た。次の瞬間、2人は安心しきったように胸をなでおろした。
「今まで何処行ってたの?俺達心配したんだよ?」
こんな夜遅くに何も言わずに出歩かないでよ…と2人して言っていた。ごめんなさい…と謝る2人。樹はジェシーに、北斗は高地に抱きつかれて、次からは何処か行くならちゃんと連絡してから!ね?分かった?と高地が北斗に聞いていた。ジェシーはと言うと、樹に引っ付いて離れない。
「ねぇ、じぇしー…」
「いやっ!今回は樹が悪いんだからね!!」
いや、やるなら部屋行ってからにしよう…と少し困惑気味で説得していた。北斗と樹は顔を見合わせて、へへっ、と笑った後、北斗は高地と。樹はジェシーと部屋に戻って行った。
「ジェシー、俺ね、北斗と仲良くなれたんだ〜!」
少しむっ、としていたが、さっきの黒髪の子と友達になれたの?良かったじゃん〜!!!と頭をわしゃわしゃ撫でてくる。部屋につくと、ジェシーに腕を引かれてベッドの上にどさり、と投げつけられる。そのままジェシーもベッドに潜り込んできて、今日は離さないから!!!と言って抱きついて離れなくなった。
いや、いつも離れない、っていうかくっついて寝てるじゃん…
まあ、何も言わず外に出てしまった自分も自分だな、と樹は感じたのかそのまま眠りについた。ジェシーが珍しく樹の首元に噛み付いて噛み跡をつけたが、樹が気がつくのは何時になるだろうか。もしかしたら、その束縛の印を気が付かないで生活する可能性も低くない気がしてならないが、ジェシーはその自身が付けた噛み跡をゆっくり指でなぞりキスを落とす。こんな事をされたなんて樹は知る由もないだろう。何せ、もうぐっすり夢の世界に1人旅立っていってしまったから。
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作者名:星屑。 | 作成日時:2020年11月28日 3時