Giurare (ページ15)

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礼拝堂の中央にある台の下から金髪の青年、そう先程別れを告げたたいががそこに居たのだ。

｢たいがじゃん！さっきぶり！｣

いぇーい、たいがとジェシーがハイタッチを交わした後、たいがは樹にひらひらと手を振っている。樹は少し控えめに手を振り返していた。

｢え、2人共たいがと知り合いなの？｣

高地は困惑していたが、それもそうだろう。悪魔、いや、今は天使のたいがと知り合いとはどういう関係なのか普通に疑うはずだ。｢天使｣と｢人間｣。普段確実に交わる事がない人種だからこそ、接点が一般人からしてみれば謎なのだ。
ジェシーは宿の部屋で樹と2人っきりにならないとその悪魔の特徴でもある黒い羽は出さないので、日中のジェシーは｢ほぼ｣人間に等しいのだ。

｢俺とは昔からの友人です。樹とはさっき会ったけど…｣

自分が｢悪魔｣であり、たいが自身も｢天使｣でもあり｢悪魔｣でもある事は何となく言わない方がいい気がしたジェシーは高地にそれを伝えなかった。
契約主には分からないが、｢悪魔｣の彼らは何となく契約している、していないが分かるのだという。匂いで分かる者も居れば、2人のオーラーの色が同じだとかで分かる者も居るらしい。
そう、だからジェシーはたいがと高地が｢契約者｣同士の関係なのにすぐに気がついたのだ。
余計な事を喋ったら、自分のせいで契約が解消する可能性もあると判断したジェシーはあえてそこに触れることはなかった。

高地は納得をして用事があるから、と礼拝堂から出ていってしまった。ゆっくりしててもらっていいから！とは言われたものの、ここは礼拝堂。十字架にキリスト、オルガン、ステンドグラスで彩られた窓。暇を潰せるものは数少なく、樹は少し困惑をした。昼寝をしたらきっと起きれる自信もない。たいがとジェシーは2人で歌を歌おう！となり、2人で歌を歌い始めた。

～♪

聞いた事がなかったジェシーの歌声。芯があって力強いのにどこか儚くて。そんなジェシーの歌声に体がじわじわと熱くなるのを感じた。

そういえば、と樹が思い出した。
しんたろうは今何をしているのか、を。
たいがが言うには久々に会ったジェシーが強い奴になってて俺も負けたくないから能力特訓をしている、らしい。
たいが自身は元々生まれた属性が治癒能力しか使う事ができなかったので、能力特訓をしてもほぼ何も身につけられない。あまり使う事のない能力の為、咄嗟にその能力が使えるかどうかは定かではないのだとか。