嘘つきクリミナル【オリジナル】 (ページ9)

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Because it's you, it's left.

お前だから任せられる

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「ぅ…、グズグズ…」

「ご、ごごごめんって！そんなに泣かないでください！！いつも依頼持って来てくれて感謝してるんです！！その、いつもは面倒…じゃなくて、難しめの依頼だったから！今回は簡単でちょっと驚いただけで…！！」

「いい歳した大人がキメェ」

「今は黙りましょう！！思ってていいですから！！」

「ぅぁぁっ！」

「あぁぁぁぁ！！！」

せっかく泣き止んできてたのに！！と頭をかき乱すレイはまるで狂人のよう。

これも俺のせいなのだが。

「…おい、おっさん。さっさと泣きやめ、うぜぇ」

「わかったよ。白銀のレディ」

白銀のレディの一言で俺は泣き止み、レイはジト目で俺を見た。
しょうがないだろう？？俺は女性に言われると従ってしまう病なんだ！！

「…はぁぁ…なんか疲れた…。デイビットさん、依頼の詳細は？」

「この封筒の中に入ってるさ」

疲れ切った顔をしたレイは封筒をごそごそと開け始めた。

白銀のレディは依頼が気になるのかレイに気づかれぬように盗み見をしている。可愛い。

俺はといえば、顔中の穴という穴から出たものを処理中である。
嘘泣きも体力がいるものだと気付かされた。
これからはもうしない。

「どうだ、レイ。できそうか？」

俺はレイの顔を見て底意地悪そうに笑う。

これはいつもの合図。

無理難題な依頼(今回はそうでもないが)を持ってきた俺がレイを挑発ときにする。

「もちろん！必ず見つけ出して、飼い主の元へ帰してあげるよ」

真っ直ぐな目が俺を貫いた。

今回も大丈夫そうだな。

そう確信した俺はフッと気の抜けた笑みに変え、わちゃわちゃとレイの頭を撫でた。

何するんだと言いたげな目で見てくるレイの耳元でそっと耳打ちする。

「今回の依頼は白銀のレディも連れて行ったらどうだ？興味津々にお前の依頼書見てたぞ」

「えっ！？」

驚いた顔で彼女を凝視してしまったレイは彼女に罵倒をもらっていた。

そんな二人を見ていた俺は平和だなぁと思うとともに、彼女が、この出会いを得てどんな選択をするのか…

スッと目を細めて白銀の彼女を見てから、ふぅ、と息を吐いた

「なぁ、レイ。取り敢えずレディを休ませてやれよ。その痛々しい傷が治るまでゆっくりさ」

じゃあ俺は帰るな。と彼女を心配し、寝かせるレイに手を振って事務所を後にした。

依頼期限まで後7日。