嘘つきクリミナル【オリジナル】 (ページ7)

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Such situation isn't predicted.

こんな事態予測していない

ーーー

ーー

ー

ードス

「……！？」

「こいつだったら完全に殺ってた」

一瞬、何が起こったのかわからなかった。

久しぶりに訪れたビルは相変わらずボロボロで周りの人から見たら廃墟のように見えるだろう。
だが、そんなところが味があっていい！という客もいるようで此処はまだ廃墟にはなっていない。

そんなビルに俺、デイビット・ニャルフは用がある。

目的は二つ。
仕事の依頼と、探偵_レイアット・リッパーの嫌そうに歪んだベビーフェイスを見ることだ。

「相変わらず汚ねぇなぁ～」

蜘蛛の巣を避けながらガンやらギィやら不吉な音を立てて軋む階段をゆっくりと上がりお目当の階で立ち止まる。

〈レイアット探偵事務所〉

ドアの前にぶら下げられた看板は、ビルに比べて新しい。
この事務所もまだ2年目と新しいのだから当たり前なのだが。

ちなみに、このボロビル五階を探偵事務所にしたらどうかと持ちかけたのは俺である。

「よぉ、レイ～！元気…ってなんだその美系のレディは！！」

俺の顔をみてうげぇと歪むベビーフェイスを拝めるかと思いきや、俺の目に入ってきたのはー

「！？デ、デイビットさん！？」

ードス

俺の顔、ギリギリに刺さるナイフと醒めた目で俺を見つめる銀髪の美少女。

真っ青な顔をして俺とナイフ、そのレディを交互に見つめるレイ。

「ほんんんんっとに、こんなんじゃなくてよかったなァ。このヒゲみてぇな顔つきじゃなくて。こんな奴に体触られると思うと吐き気と寒気が同時にかかってくる…」

「この人一応僕の恩人だから！！そんな言い方やめて！！」

「レイ…一応ってなんだ、一応って…」

俺仕事持って来たのに…。

しゅんと拗ねた顔で地面を見ていると美少女からキメェとの辛辣な言葉をいただいた。

確かに…と呟いたお前の言葉は忘れないぞ、レイ。

「って、何しに来たんだよ！デイビットさん！」

俺の考えていることがわかったのか、俺の顔が怖かったのか…、青い顔をさらに青くして要件を聞きにくるレイにニッコリ笑って答えてやる。

「依頼だぜ、レイ」

レイの顔が想像通りにうげぇと歪む。

その顔が見たかったんだ！と当初の目的を達成できた俺は目を輝かせて歪む顔を目に焼き付けていた。