青に溺れる 2【ブルーロック】 (ページ9)

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drown055 ページ9

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「向坂は何食べたんだ？」
「野菜炒めです」
「野菜炒めって……健康志向がよ。ほら肉食えよ、1切れやるから」

そう言って御影さんは持ってきたステーキの1切れを白米の上に乗せた。牛肉は重いから苦手なんだよなと思いつつ、箸でつまみ上げて口に運んだ。

「あ、美味しい」
「だってよ、ほら凪」

その光景に思わず顔を顰めながら白米を口に運んだ。どこまで赤ちゃんなんだこの人。

それにしてもこの濃いめの味付けが食欲をそそる。久々に食べた気がする牛肉、うまし糧よ。そんなことを思いながらステーキを食べ終えて残った味噌汁をすすった。

「ご馳走様でした。それでは私はこれで」
「え〜」
「えぇ……」

立ち上がろうとして凪さんに袖をつままれる。濡れた子犬のような瞳で見るもんだから、呆れつつ「食器だけ戻してくるので」と言って袖を離してもらい、トレーを持って立ち上がった。

戻ってくる途中、コップに人数分の水を入れて新しいトレーに乗せた。

「どうぞ、お水です」
「おっ、さんきゅう」
「A食べさせて」
「はぁ？全く……」

そう言って押し付けられたナイフとフォークを受け取る私も私なんだろうとつくづく思う。1切れを皿の横の方に避けてそれをまた1口大に切り分ける。

「ほら、口開けてください」
「あー」

もそもそとステーキを食べる凪さんを見て、ちらと御影さんを見上げると、こちらを見ていたのかばちりと目が合った。

「そろそろ自立させてはいかがですか」
「凪はこれでいーんだよ」

そう言いながら凪さんの頭を撫でる御影さん。

何も思わないのだろうかと隣の剣城さんを見るが、彼は目が合えば「玲王が言うなら大丈夫だろ」と御影さんへの絶大な信頼を感じさせる発言をした。