青に溺れる 2【ブルーロック】 (ページ27)

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drown073 ページ27

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Aが振り返ると潔は彼女の元へと駆け足で向かう。その奥にこちらを向いている蜂楽が目に入り、会釈をすれば手を振りながら「先戻ってんねー！」と潔に呼びかけて背を向けた。

「どうかしました、か」

蜂楽の背中を見送って視線を潔へと戻せば、こちらを見下ろす目に息が、言葉が詰まる。心の中まで見透かされてしまいそうなその瞳に思わず息を飲んだ時だった。

潔はおもむろに口を開き、思わず身構える。

「─────体調はもう平気？」
「へっ？」

Aは素っ頓狂な声を零し、思わず目を見開いた。
心の中まで見透かされてしまいそうな、というのはあながち間違いではなかったようだ。夢見が悪かった故に寝つきが悪く、朝起きた時に出来てしまったクマを隠すために眼鏡をしていたが潔にはバレてしまっていたらしい。

未だにぽかんとしている彼女を見てハッとする。

「あぁ！いや、勘違いだったら悪いけど、朝いつもより顔色悪かった気がしたから。ちょっと気になってたんだけど聞くタイミング逃して……。ってかごめんキモいよね！」
「……ふふ、バレないと思ったんですけどね。だいぶ落ち着いてますよ、ありがとうございます」

人の顔色をうかがいすぎるがために些細な変化に気付いたのか、Aのことを無意識に見ていたからなのか。
おどおどと身振り手振りで伝えれば、目を細めて笑った彼女を見て僅かに目を見開く。

やっぱ笑うと可愛いんだな。

長いまつ毛に縁取られた瞳は笑ってきゅ、と細くなった奥で彩度を増す。冷たい海のような瞳は触れてしまえば火傷してしまいそうなほど、潔の目には熱っぽく映った。