drown064 ページ18
───
「そう言えば次は全棟合流なんですよね、今一度挨拶しときたいんですが」
「あぁ、次からはいないよ」
「……は?」
「だから、二次選考からは君1人」
ずぞぞ、と目の前の絵心さんはカップ焼きそばをすすった。
一次選考が終わり"地獄のフィジカルトレーニング"が始まってすぐのこと。次の選考、つまり二次選考について話を聞けばまさかの答えが返ってきた。
「元々二次選考からはアンリちゃん1人の予定だったんだよね」
「それはそれでじゃないですか」
「都合よく変なのが入ってくれたおかげで彼女の負担も減るんじゃない?」
「はぁ?いや、変なのって」
「追い払っても出ていかなさそうだし」
「……」
こちらを見る絵心さんからふい、と視線を逸らす。
二次選考はライバルリーバトルというものらしく、3人組から始まり、試合を通して4人組、5人組を作るもの。勝てば相手から1人奪って次へ進み、負ければ戻って2対2、そこで負けて選ばれなければ脱落。
奪い奪われ、まるで花いちもんめみたいだ。
「大丈夫、部屋も少人数になるし一次選考と違ってタイミングもバラバラ。各自の洗濯掃除、あとは水分とかも自分たちで準備させるようにするし」
「た、しかに、そうなると負担は減るかと思いますが」
となると、と考える。
洗濯とドリンクの交換、補給が無くなれば残るは設備点検とトレーニングの見回り、はどうだろうか。色んなところで色んな人たちが練習をするだろうから見て回ることに変わりは無いかもしれない。
じゃあ今までデータと映像でしか見てこなかった選手たちのことをこの目で実際に見ることが出来るようになる。まぁ、ならひとりでするのもやぶさかでは無い。
218人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:shiori | 作成日時:2024年1月20日 19時