52話 ページ10
──
「ねぇ、悟くん」
「あ?」
「あ? じゃない。君が出てきたこの扉、閉じちゃってるけどまた開けられるの?」
「知らねぇよ。やってみれば?」
対応が冷たい、と思いながら取っ手に手をかけてみる。
手前に押し出てきていたはずだから、手前に引いてみる。
しかし、開かないどころか全く動かない。
ビクともしない。
「悟くーん、君の方が力あるかもしんないから交代しよ」
「はぁ? まぁお前女だもんな」
「はい、男尊女卑〜! 今は男女平等な社会だから!」
「知らねぇよ! いいから退け!」
話振ったのは君だろうが。
腑に落ちないものを感じながら場所を譲る。
彼は手をかけ、引いたり押したりを繰り返している。
ビクともしない扉にイラつきを隠せていない彼は、とうとう扉を蹴った。
衝撃で声がうわずる。
「こらぁ!?」
「うるせぇ! なんで動かねぇんだコレ!」
「知らないよ! 君が非力なんじゃないの!?」
「んなわけねぇだろ、クソアマ!」
「クソガキ!」
またもやくだらない罵倒合戦が始まる。
体感で5分が経ったころ、やっと終わった。
「それじゃあ2人で開けてみよ」
「あぁ? ……やるか」
悟くんが諦めたように呟いた。
取っ手の上の部分を私が、下の部分は悟くんが持った。
せーの、と声をかけ、同時に引っ張ると、案外すんなりと開いた。
「真っ暗だねー」
「……ちょっと手入れてみろよ」
「嫌だよ! 悟くんが入れてよ!」
「お前の方が年上だろ!?」
「悟くんの方がこういうことの知識あるでしょ!?」
またもや言い合いに発展しそうになったが、大人な私が1歩引いた。
「同時にしよう」
「あー……それなら、まぁ……」
「よし、行くよ? いくよ? ……せーの!」
意を決して腕を奥まで入れると、グイッと引っ張られた。
それは悟くんも同じだったらしく、お互いに驚いた顔をしながら全身が飲み込まれた。
169人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛 - あ…笑笑パッパーエンド笑笑ハッピーエンドです笑ごめんなさい笑 (1月31日 19時) (レス) @page8 id: c3a5fb6d36 (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - 愛さん» ありがとうございます!! ひとつ気になってしまって……誤字だとはわかるんですが……パッパーエンドってなに!?笑 これからも更新頑張ります!! (1月31日 7時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
愛 - クソガキ五条めっちゃ可愛いですね!私も好きな作品がパッパーエンドじゃなくて、、でも、最後いい感じで終わって…多分作者さんとおんなじかなー?とか思ってます笑更新頑張って下さい!! (1月30日 21時) (レス) id: c3a5fb6d36 (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - なーとさん» コメントありがとうございます! そう言って貰えて嬉しいです😭 これからも更新頑張ります! (1月30日 20時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
なーと(プロフ) - あぁ五条先生かっこかわいいよぉぉぉぉぉぉぉ!これからも応援してます大好きです!!!! (1月30日 19時) (レス) @page7 id: 30737ba1ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夏斗 | 作成日時:2024年1月25日 21時