6話 ページ6
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「悪い子発見!」
息が続かなくなっていたころ、体が引っ張られた。
「げほっ、げほっ……おぇっ……」
何も出てこないがえずいていると、背中をさすられる。
上を向くと、濡れた様子のないイケメンさんの顔があった。
「大丈夫?」
「なんで助けたんですか」
「後味悪いから。今死んだら僕のせいみたいじゃん」
なんだ、自分のためか。
「未練とかあるでしょ、まだ若いんだから」
「……ないって言ったら?」
「うーん……死なれるのも困るし……未練、作ってあげる」
「へぇ、そうですか」
未練はある。
でもその全てを諦めていいほど、死にたい気持ちの方が強かった。
「うん。僕は五条悟。名前……Aで合ってる?」
頷くと、笑顔になった。
顎クイで顔を上げられ、水色の瞳と目線が合う。
少しの沈黙。
「Aちゃん……死ぬ前に僕と恋愛しよう?」
沈黙。
「詐欺、とかですか」
「違うよ、言ったでしょ。未練作ってあげるって」
「初対面で……信じられないですよね」
イケメン、年上、高身長
声もタイプだし、全部、理想のタイプだ。
でも、今はトキめかない。
「そうだね。じゃあ、君に住む場所あげる。家族にも、生活に余裕が出るくらいの資金援助してあげる」
「……は?」
「ほんとだよ、お金は持ってるし。君にも不自由な暮らしはさせないよ」
なぜここまでしてくれるのか。不思議で不思議でたまらない。
「あぁ、一旦家に帰って、また明日話そうか。明日、君の家に行くよ……いや、どこかホテル取ってあげようか。安心して、隣に僕も泊まるから」
勝手に話が進んでいく。
意味の分からないまま、後をついて行った。
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夏斗(プロフ) - 不鬱さん» いやぁ、なんか凄いお金は渡してるイメージがあって! 自分でも少し笑いながら書いてました笑 (1月5日 20時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
不鬱(プロフ) - 五条さんからもらった沢山のお金が入った財布で笑ってしまいました!五条愛が凄いな!と思いました!? (1月5日 19時) (レス) @page33 id: d8d677a26c (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - みつきさん» ありがとうございます! これからも溺愛させたいと思います!笑 (1月5日 14時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
みつき(プロフ) - 五条悟の愛が素晴らしいと思います (1月5日 8時) (レス) id: 5d80019c07 (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - 不鬱さん» ありがとうございます! (1月1日 13時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏斗 | 作成日時:2023年12月16日 18時