45話 ページ49
──
「なにこれ……扉……開けたら虫とか出てきたら死ぬんだけど……」
裏はコンクリートのようなものでなにもない。
開けるのも怖いし、でも出口かもしれないし。
どうしましょうね。
「どうしょー……」
苦い顔で呟くと、扉か少しだけ開いた。
「なにがでるかな♪」
……え、何も出てこない……。
「私のドキドキ返してよ!」
右手を下に振り下げ、投げたフリをする。
何も投げるものがないから投げないが。
……ん?
「あ、スマホ持ってるじゃん!」
画面を開き、トーク画面を開く。
しかし、ネットワークがなかった。
「繋がらない……!? はぁ!? いくら景色が綺麗だからってネットに繋がんないのは許せないよ!」
泳いでいる鯉のような魚にキレ散らかす。
「悠長に泳いでないでよぉ、私を助けろよ! てか助けてくださいよ、鯉さん!」
なんて敬語を使ったからって反応を返すわけでもなく……な、なく……
え、こっち見てる。
黒い鯉の目がこちらを捉えていた。
「こっ、ここ、言葉が通じるとか……」
どんな鯉だよ!
言葉が通じるなら話が早いと思い、できるだけ顔を近づけてお願いする。
「助けてください。これからは鯉に餌あげます。池に石とか葉っぱ入れて遊んだりしません」
お願いしますお願いします……。
そんなお願いも虚しく、鯉はどこかに泳いでいってしまった。
「鯉ーーっ!」
ふざけているように感じるだろうが、至って真剣だ。
ギャグのように感じるかもしれないが、心はとっくに折れそうである。
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夏斗(プロフ) - 不鬱さん» いやぁ、なんか凄いお金は渡してるイメージがあって! 自分でも少し笑いながら書いてました笑 (1月5日 20時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
不鬱(プロフ) - 五条さんからもらった沢山のお金が入った財布で笑ってしまいました!五条愛が凄いな!と思いました!? (1月5日 19時) (レス) @page33 id: d8d677a26c (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - みつきさん» ありがとうございます! これからも溺愛させたいと思います!笑 (1月5日 14時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
みつき(プロフ) - 五条悟の愛が素晴らしいと思います (1月5日 8時) (レス) id: 5d80019c07 (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - 不鬱さん» ありがとうございます! (1月1日 13時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏斗 | 作成日時:2023年12月16日 18時