43話 ページ47
──
「いやー、終わった終わった」
「はは……」
ニコニコしている五条さんと、顔を青くさせて慌てている伊地知さんと、ふたりの目線の先にある平野とを交互に見る。
結局、必殺技のようなものを放った五条さん。
辺り一面、生い茂っていた木々が全て焼かれ、灰となって消えた。
「Aさん……」
「私は止めましたよ……？」
「ですよね……」
すがるようにこちらを見た伊地知さんも、私が目をそらさずに答えると、泣きそうな勢いで顔をクシャクシャにした。
「それじゃ、伊地知よろしくー」
「そんなっ……！」
目隠しをつけ直した五条さんは、なにも無いはずの後ろを振り向くと顔を顰めた。
「あの、五条さんっ……」
「なに？」
怯えたように名前を呼ぶ伊地知さんに、冷たく言葉を返す五条さん。
次の言葉を紡げずにいると、五条さんに肩をポンと叩かれて飛び上がっていた。
「ちょっと戻るから。Aちゃん、車の中で待っててね！」
「あ、はい」
「それじゃ。伊地知、待ってて」
「はっ、はいっ！」
平野を戻っていく五条さんを見送り、伊地知さんに視線を向ける。
疲れきった顔でため息をついていた。
「大変ですね」
「まぁ……はい」
「飲み物買ってきましょうか？ 私も喉乾いたんで買ってきますね」
「い、いえ！ それなら私が自分で買いに行きますので……」
「私、自分で飲み物選びたくて……」
苦し紛れなことを言うと、伊地知さんは困ったように微笑んだ。
「……それじゃあ、お願いします……」
「はい！ お茶でいいですか？」
「はい」
お金がたっぷり入った財布を持ち、近くの自販機まで買いに行く。
飲み物を買ってる途中、視界の端に黒い何かが映った気がした。
しかし、確認するもそこにはなにもいないく、気のせいだと思い直す。
「お待たせしま……っ!?」
「Aさんっ!?」
伊地知さんの元へ駆け寄ると、あと数歩のところで足の力が抜けた。
しかし転ぶことはなく、自分の下にいきなり空いた穴に吸い込まれた。
最後、目に映ったのは焦る伊地知さんだった。
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夏斗(プロフ) - 不鬱さん» いやぁ、なんか凄いお金は渡してるイメージがあって！ 自分でも少し笑いながら書いてました笑 (1月5日 20時) (
レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
不鬱(プロフ) - 五条さんからもらった沢山のお金が入った財布で笑ってしまいました！五条愛が凄いな！と思いました！？ (1月5日 19時) (レス) @page33 id: d8d677a26c (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - みつきさん» ありがとうございます！ これからも溺愛させたいと思います！笑 (1月5日 14時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
みつき(プロフ) - 五条悟の愛が素晴らしいと思います (1月5日 8時) (レス) id: 5d80019c07 (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - 不鬱さん» ありがとうございます！ (1月1日 13時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏斗 | 作成日時：2023年12月16日 18時
