20話 ページ22
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時計の針が1時を指した。
「そろそろ寝るか〜」
真希さんの声に、野薔薇ちゃんが「そうですね」と同意する。
「Aは仮眠室で寝るんだっけ?」
「うん、そう言われた」
怖いです。
学校でひとりで寝るのはとても怖いです。
「でも、今から行くのもめんどくさいわよね。いいわ、泊まっていきなさい! もちろん、真希さんも!」
野薔薇ちゃんが気を利かせてくれた。
心の中で、野薔薇ちゃんに向かって「ありがとう」と合掌した。
「ん、布団あんのか?」
「ありますよ! 用意するんで待っててください!」
そう言って棚に近づき、布団や枕を次々と出していく。
出されたのはふたつではなくみっつ。
どうしてだ? と首を傾げていると、野薔薇ちゃんが照れくさそうに呟いた。
「1人だけベッドってのは寂しいかなって……」
真希さんと一緒に「かわいいなぁ」と微笑む。
出された布団にシーツをかけ、綺麗に整える。
全て整えると、どこで寝るかをジャンケンで決めた。
「よしっ。私、端っこで」
「それじゃあ、私は真ん中にするか」
「あっ、真希さんずるいです!」
野薔薇ちゃんが「私もAさんの隣で寝たいのに」と可愛いことを呟くものだから、ついつい笑ってしまった。
まだ、会って数時間しか経ってないのに、こんなに懐いてくれたことが嬉しい。
「ほら、お前らも早く布団入れよ」
いち早く布団に潜った真希さんに続き、野薔薇ちゃんとは反対側の布団に潜り込む。
メガネを外し、髪を解いた真希さんはどこか色っぽくて少しドキドキした。
「おやすみ」
「おやすみなさい!」
「おやすみなさい……」
お泊まりは、中学の修学旅行以来だ。
浮かれているのと、緊張しているので、なかなか寝付けなかった。
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夏斗(プロフ) - 不鬱さん» いやぁ、なんか凄いお金は渡してるイメージがあって! 自分でも少し笑いながら書いてました笑 (1月5日 20時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
不鬱(プロフ) - 五条さんからもらった沢山のお金が入った財布で笑ってしまいました!五条愛が凄いな!と思いました!? (1月5日 19時) (レス) @page33 id: d8d677a26c (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - みつきさん» ありがとうございます! これからも溺愛させたいと思います!笑 (1月5日 14時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
みつき(プロフ) - 五条悟の愛が素晴らしいと思います (1月5日 8時) (レス) id: 5d80019c07 (このIDを非表示/違反報告)
夏斗(プロフ) - 不鬱さん» ありがとうございます! (1月1日 13時) (レス) id: 61784e28aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏斗 | 作成日時:2023年12月16日 18時