検索窓
今日:4 hit、昨日:26 hit、合計:90,061 hit

同じだったの ページ7

al side


聖獣というのは、長生きで身体が強く、その上自然治癒力が物凄く高かった。そんな化け物の血を飲んだのだもの、貴女が化け物みたいな身体能力を得たのも、納得でしょうね。


噂は真実としてこの国に広まり、やがて私の上司は貴女を欲するようになった。原石は磨けば美しく光り輝くものよ。きっと彼は、自らの手で貴女を磨こうとしたのね。



──人間兵器として、だけど。







そこで派遣されたのが私だった。
貴女の家の下女として働きながら、よく貴女のお世話もしていたのよ?


まあ、覚えていないだろうけどね。





貴女が、グルッペン・フューラーと許嫁としてフューラー家に遊びに行くのを見ながら、本当にこの娘が血を飲んだ"黒狼の娘"なのか判断しかねていたわ。

でもある時、貴女の父親が貴女を連れて夢幻の森に入ることを聞いたの。

私は1従者に過ぎなかったけれど、使命感と好奇心に駆られて無理やり許可を経て付き人になった。





──圧巻だったわ、黒狼の長というのは。



私は聖域に入ることは許されなくて、他の付き人たちと一緒に待つしか出来なかった。でもほんの一瞬だけちらりと見えた大きな体躯は、私たち凡人を竦ませるのに充分だった.......。























「──これが、貴女に話したかった昔話」


ギィ、と座っている椅子の錆びたボルトが鳴る。
静かに話を聞いていた彼女は、少し納得のいかない顔をして俯いた。


『...父上は基本的に、部外者は家に受け付けなかったはずだが』

「ふふ、そうね。貴女の父親は厳格で、そういうことにいっそう気を使っていたわ」

『ならば、何故』

「.....簡単よ、そんなこと。









──貴女だけじゃないのよ。

祖国を焼かれて家族を失い、鎖に絡めとられた私を救い出し、必ず迎えに行くと誓ってくれた、最愛の人を亡くしたのは」


目の前で暗がりに沈む烏羽色が、驚愕に染まる。
滑稽なその様子に微笑みかけながら、私は言葉を紡いだ。






「私の本当の名前は、アルプ・クラリトロリス。ω国王位継承権第3位、クラリトロリス家の長女で、この国に政略結婚のために飛ばされた、貴女と同じωの生き残りなのよ」

募る不安→←むかしむかし



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (224 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
758人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , gr
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

 (。・ω・。) - 子れは神ですか?神ですね(自己解決)ありがとうごさいますm(_ _)m (2021年12月29日 10時) (レス) @page38 id: 564be5b250 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - うおうおうおうおうおうおう……ッッッ(混乱)なんだこれなんだこれ…!ずっと更新待ち望んで見るぞーって思ったらめっちゃ一気に話出てるし尊いしgr氏の獣みすきだし、夢主おめでとうだし……ッッ!!ここが天国ですね(昇天) (2021年1月4日 1時) (レス) id: c248a8f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
Toki(プロフ) - おぼろどうふさん» ありがとうございますっっ! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - おかえりなさぁぁい!!待ってました! (2020年11月21日 19時) (レス) id: c248a8f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - Tokiさん» 困惑と思惑4、の最後の言葉、すごい鳥肌が立ちました。いい意味です!もう、最高ですか… (2020年9月30日 20時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Toki | 作成日時:2020年7月24日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。