むかしむかし ページ6
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──"
私がこの国に仕えるずっと前から、あの森はそう呼ばれていた。いつ、どの時代にできたのか分からないけれど、遥か昔から存在する神聖な獣が御座す社。
歴史あるωの国を護り続けてきた、国の宝ともいえる場所は、代々とある家系によって管理され、聖獣の加護を受けながら国王を助けその恩恵を子孫へと受け継がせる.....そんなメルヘンチックな戯言、なんて思っていたけれど、真相は本当だったらしいわ。
──いつだったかしら。
とある噂が流れ出したのは。
──"夢幻の森を守護する聖獣の長を、年端もいかぬ娘が治療した....."
普段聖域と呼ばれる森の奥深くに鎮座し、滅多なことがない限りその外に出てこない長と接触し、あまつさえその傷を癒したですって?その時の上司──ああ、私が忠誠を誓った方にね──そんな話は有り得ないと聞かされていたの。警戒心が強く侵入者は問答無用で喰い千切る聖獣が、たった7、8歳の子供にその身を触れることを許した...当時の衝撃はなかなかのものだったわ。
でもその話自体は、あまり気味のいいものでもなかった。
その娘が、驚くことに聖獣の血を"舐めた"のよ。
本来なら聖獣の血液を人間が飲むことは許されない。
それ以前に、拒否反応を起こして死んでしまうから。
何よりも、禁忌を侵した娘は処刑されるだった。
──でも、その娘は死ななかった。
あろうことか娘の身体はそれに対応し、彼女の兄弟や親よりも高い身体能力を得た。その力を欲して娘を誘拐しようとした輩がいたらしいけど、ことごとく全員殺されたそうよ。まあ殺したのが家族の人間だったのか、はたまた聖獣の長なのか。
真実は闇の中って話だけど。
その事を、娘の父親は誇りに思っていたわね。
いつしか人は、娘のことをこう揶揄したそうよ。
"あの子は人の子に非ず。夢幻の長たる黒狼の庇護を受けた、黒狼の娘である"
──その娘とやらが、貴女だったとはね。
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(。・ω・。) - 子れは神ですか?神ですね(自己解決)ありがとうごさいますm(_ _)m (2021年12月29日 10時) (レス) @page38 id: 564be5b250 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - うおうおうおうおうおうおう……ッッッ(混乱)なんだこれなんだこれ…!ずっと更新待ち望んで見るぞーって思ったらめっちゃ一気に話出てるし尊いしgr氏の獣みすきだし、夢主おめでとうだし……ッッ!!ここが天国ですね(昇天) (2021年1月4日 1時) (レス) id: c248a8f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
Toki(プロフ) - おぼろどうふさん» ありがとうございますっっ! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - おかえりなさぁぁい!!待ってました! (2020年11月21日 19時) (レス) id: c248a8f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - Tokiさん» 困惑と思惑4、の最後の言葉、すごい鳥肌が立ちました。いい意味です!もう、最高ですか… (2020年9月30日 20時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Toki | 作成日時:2020年7月24日 21時