俺だけの迷い人 ページ29
gr side
zm｢グルッペン！！｣
Aがゾムが投げたナイフに気を取られた隙に馬から飛び降り、Aと距離を取る。再びゾムたちと戦闘を始めたAに気を向けながら、怪我をしているひとらんへと駆け寄った。
｢ひとらん、この怪我...｣
ht｢...うん。でも、俺は大丈夫だから｣
──だから、あとはAを。
｢...わかってる｣
──Aが、俺の知らない所へ行ってしまう。
怖かった。ただただ、恐ろしかった。
もう失いたくないと、共に生きると誓ったのに。
あいつの身体に何が起こったのかは分からないが、今のAは自我を失った本物の獣だ。敵も見方も分からずに暴れる獣。
｢Aｯ！！俺だ！グルッペンだ！！｣
力の限り叫んだ。ぱっと此方に振り向いたAに向かって走り、ゾムたちが作ってくれた隙間に飛び込んで身体を押さえつける。が、すぐに形成は逆転されてしまい私が下に抑え込まれる形に。
｢ぐっ.......A、A...俺だ、頼む.....思い出してくれ....！｣
首元を掠めた犬歯。かぁっと患部が熱くなり血が噴き出す。それでも尚首を喰いちぎろうと暴れるAの左腕を掴み、無理やり身体を密着させた。
『ぅ"ｳﾞ.......ｧｱ"ｱ"ｯｯ！！！』
｢...頼む、戻ってきてくれ...A...！｣
左腕の痛みに顔を歪めたAの唇に、噛み付くような激しいキス。犬歯で唇が切れるのも厭わず何度も何度も食み、確かめるようにその口の中を貪った。
『ﾝ"ﾝ"...！ｯｧ.....っは、』
｢ん、.....ふ...｣
少しだけ暴れる力が収まったのをいい事に、泥だらけの小さな背中を掻き抱く。失血からか目眩すら感じる意識の中、必死に、必死に名前を呼ぶ。
｢A、A、っ.......A｣
焦点の合わない烏羽色が、虚ろに俺を瞳の中に捉える。底なし沼のような濁った瞳の奥に、キラリと一瞬、光が灯った。
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(｡･ω･｡) - 子れは神ですか？神ですね（自己解決）ありがとうごさいますm(_ _)m (2021年12月29日 10時) (
レス) @page38 id: 564be5b250 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - うおうおうおうおうおうおう……ッッッ(混乱)なんだこれなんだこれ…！ずっと更新待ち望んで見るぞーって思ったらめっちゃ一気に話出てるし尊いしgr氏の獣みすきだし、夢主おめでとうだし……ッッ！！ここが天国ですね(昇天) (2021年1月4日 1時) (レス) id: c248a8f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
Toki(プロフ) - おぼろどうふさん» ありがとうございますっっ！ (2020年11月23日 0時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - おかえりなさぁぁい！！待ってました！ (2020年11月21日 19時) (レス) id: c248a8f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - Tokiさん» 困惑と思惑4、の最後の言葉、すごい鳥肌が立ちました。いい意味です！もう、最高ですか… (2020年9月30日 20時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年7月24日 21時
