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sha side


──夜。
あれから色々と試しては見たが、牢屋自体は脆い割に拘束具が酷く頑丈で、抜け出すことは難しいという結論に至る。丸1日何も食べていない身体では、いつもの半分も力は出ないだろう。


「...はぁー、しくじったなぁ」


備え付けの硬いベッドに横たわり、腕を頭の後ろで組む。ぐぅううと鳴る腹を他所に、鈍った思考回路はぐるぐると回る。


「...A、やっぱり俺らが憎いんかな」


いつかに感じた殺意。
それをやんわりと受け止めるグルッペン。
若しかしたら、あの女にAを取られたのかもしれないと思うと。


「...」



静まり返った牢の中、ゆっくりと襲ってきた眠気に身を委ねていた時。


「.......ん、?」


微かに聞こえた足音に目が覚める。
何事だと身体を起こせば、ふわりと香る美味しそうな匂い。


「...」

『...起きてたのか』









温かな食事を運んできてくれたのは、Aだった。


トレイを片手で持ち、器用に鍵を取り出しては錠を開けた。


『何も食べてないんだろう』

「...毒、入ってるかもしれへんやろ」

『私の夕食のおすそ分けだ。毒は入っていない』


カタン、と腐りかけのテーブルに置く。
そのまま出ていくのかと思えば、Aは懐から柔いパンを取り出した。


『冷めないうちに食べろ。w国ほど美味くはないが、不味くもない』

「.....なんで、」






なんで、俺に優しくするん?



飲み込んだ言葉はしかし、Aにはしっかりと伝わったようで。


『...食べてくれたら話す。腹が空いては戦は出来ないだろう』

「...」


もそもそと味のないパンを頬張る様子は、いつもの無表情なAそのもので。戦場で対峙した人物には程遠い姿に、なんだか頭が痛くなる。


「...ちょっと薄いな、この味付け」

『ωの味付けだ。私は安心する』

「.....そか」


戦争中とは思えない、穏やかな時間。
お互い会話は無く、黙々と飯を運ぶ。




「ん、ごちそーさま」

『口に合ったようで良かった』

「これ、Aが作ったん?」

『あぁ、城の者が作る食事は信用ならんらしくて』






誰が、とは言わなくても分かった。
冷たい床の上に向き合い、灯りの無い中真っ直ぐにAを見る。


「...さっきの女は」

『部屋にいる。此処には来ない』

































『...話をしよう、シャオロン。我らがこの戦争に勝つために』

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 (。・ω・。) - 子れは神ですか?神ですね(自己解決)ありがとうごさいますm(_ _)m (2021年12月29日 10時) (レス) @page38 id: 564be5b250 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - うおうおうおうおうおうおう……ッッッ(混乱)なんだこれなんだこれ…!ずっと更新待ち望んで見るぞーって思ったらめっちゃ一気に話出てるし尊いしgr氏の獣みすきだし、夢主おめでとうだし……ッッ!!ここが天国ですね(昇天) (2021年1月4日 1時) (レス) id: c248a8f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
Toki(プロフ) - おぼろどうふさん» ありがとうございますっっ! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - おかえりなさぁぁい!!待ってました! (2020年11月21日 19時) (レス) id: c248a8f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - Tokiさん» 困惑と思惑4、の最後の言葉、すごい鳥肌が立ちました。いい意味です!もう、最高ですか… (2020年9月30日 20時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Toki | 作成日時:2020年7月24日 21時

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