37話 ページ38
tn side
──ピンポーン。
｢！｣
何もすることがなくぼーっとしていた時に鳴った音。
急いで玄関に向かえば、タイミングよく開いたドア。
｢よっ…と、やぁトンちゃん｣
｢ﾌﾞｩ!｣
｢うん、元気そうで良かった。俺のこと分かる？Aのお兄ちゃんだよー｣
｢ﾌﾞﾋｯ｣
ご主人様が帰りが遅かったりバイトだったりしたときに、代わりに来てご飯を作ってくれるのが
分かる！という意味で1回鳴き、後ろに回ってふくらはぎのあたりを鼻でぐいぐいと押した。
sn｢ちょちょ、コケるって…｣
｢ﾌﾞﾌｩ｣
sn｢今ご飯作るからねー、ちょっと待ってねー｣
よいしょ、と荷物を降ろしてキッチンに行き、てきぱきと慣れた手つきでご飯を作ってくれた。
sn｢はい出来たよー｣
｢！｣
コトン、と置かれた餌をバクバク食べていると、近くに来た神平さんと目が合う。
｢ﾌｸﾞｯ…ﾌﾞｩ?｣
sn｢んー？よく食べるなぁって思って｣
｢ﾌﾞ!｣
んふふと笑う顔は変な布で見えない。でもたまに布の隙間から見える笑顔はご主人様とそっくりで、兄妹なんだなぁって思う。
sn｢ん、食べ終わったね。美味しかった？｣
｢ﾌﾞｩ!｣
sn｢なら良かったー｣
トレイを片付けてリビングに戻ってきた神平さんは、何かを思い出したように俺を見た。
sn｢そうだトンちゃん。Aから聞いたんだけど、人間になれるって本当なん？｣
｢ﾌｶﾞｯ｣
ひと鳴きすると、ふむ…と考え込むように腕を組む。そうしてぽんっと手を叩いた神平さんは、布をしていても分かるくらい目をキラキラさせた。
sn｢俺も人間のトンちゃんと話してみたいなぁ。ちょっとなってくれへん？｣
｢ﾌﾞｰ!｣
お安い御用や！と俺の服が仕舞ってあるクローゼットに向かう。ぱかぱかと蹄の音の後ろでぎしぎしと床を踏む音が聞こえた。
｢ﾌﾞｩ…?｣
sn｢ん？あぁごめんね。どこ行くんかなって思って｣
｢ﾌﾞｩ!｣
sn｢ぅん…？あ、クローゼットの中に服あるんか｣
カリカリと引っ掻いて見上げると、感心したように神平さんはしゃがみ込む。
…ていうか俺、人前で姿変えたことない。
(ちょっと恥ずかしいな…)
まあご主人様じゃないし、と開き直って人間になれば｢わぁ…｣と神平さんにジロジロと全身を見られた。
sn｢トンちゃん、いい身体してるね…｣
｢…ひっ｣
あれ、なんでやろ。
俺今めっちゃ早く服着たいと思ったわ。
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まる(プロフ) - は〜ぇ〜〜〜〜？？？章の最後にそれ持って来ますか…はぇ〜……叫んじゃった…ネタバレもせんし検索避けするけど、これから読む人覚悟してほしいレベルで最高作品ですねこれ…続編行ってきます (6月23日 11時) (
レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
モッチンプリーン - ふぁｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯｯ、トンちの純粋さ が神ってる……ぐへへ……（変態） (2022年6月27日 0時) (レス) @page28 id: f9adfbd91d (このIDを非表示/違反報告)
天の河 - くああ800票を801票にしてしまったぁ…続編も楽しんできますね！ (2020年12月23日 19時) (レス) id: cb69af0fdb (このIDを非表示/違反報告)
そらばうぉ＠（大体）同い年卍同盟(プロフ) - ななななんと…grさん…！なんか悲しいっ…！？ (2020年10月16日 17時) (レス) id: c189a0280b (このIDを非表示/違反報告)
めろん - トントンさんが可愛すぎる！！あと、ぺ神さんがお兄ちゃんっていうところもめっちゃ好きです！これからも体調に気をつけて、更新頑張って下さい。応援してます！！！ (2020年10月3日 16時) (レス) id: aafa0eac70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年6月30日 7時
