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me side
グルッペンと僕は、いわゆる婚約関係。
しかし見かけ上は"学友"として同じ時を過ごし、僕がフューラー家に遊びに行くことで交流は続いた。幼いながらに立場を弁え、次期当主としての自覚を持っていたグルッペンは、僕と2人だけの時だけ年相応の笑顔を見せてくれた。長い間一緒に過ごして分かったことは、案外グルッペンは"悪ガキ"だったこと。
gr｢A！これを見てくれ！！｣
『…これ、お菓子？』
gr｢そうだゾ！さっき女中が焼いてくれたのを取ってきた！｣
『でもこれはお客様にだす茶菓子でしょ？勝手に持ってきていいの？』
gr｢知らん。でも母上たちだけが食べるのはズルいではないか！｣
ずる賢くて、お菓子のことになると目が輝く。フューラー家で行われる講義を抜け出しては木に登ったり土遊びしたり。案外僕もやんちゃだったもので、大抵そういうのは僕から持ち掛けていた。結局見つかって2人して先生に怒られ、頭にゲンコツが降ってくる。貴族の子供にしては随分な性格をしていたが、ありがたいことにグルッペンの父上は｢子供らしくていいじゃないか｣と目を瞑ってくださっていた。
──戻りたい。幸せだった、あの頃に。
でも。
『…懐かしいな、グルッペン』
軽い朝食を済ませ、机の上の写真を手に取る。
ユラウグラル家の家族写真。確か6歳の頃のものだ。母上に抱かれて指をくわえている自分と、それを見守る父上や兄弟。薄らと記憶している麗らかな景色は、何一つ残ってはいない。
指で家族写真を撫で、コトリと机に置く。
もう1つの写真には、少しだけ成長した自分と手を繋ぐ、グルッペンの姿があった。内乱によって家どうしの繋がりが切れたのが10年前。振り返れば、案外長かったような気もする。
『…会いたかったと言えば、驚くだろうか』
変わり果てた、自分の姿を。
あの日、戦火に燃える街を追われた日。
僕は女であることを捨てた。
王政復古への足掛かりを阻止するためだけに、近衛兵家系の人間は全員捕まり、処刑された。唯一の生き残りともいえる自分は、あの日父上から言われた言葉を果たせずにいる。
｢…いいか、A。お前は本来フューラー家に嫁ぐ予定だったから、近衛兵には含まれない。看守に金を握らせた。お前だけは逃げなさい。
…そして、必ず、お前の主を見つけ、守りなさい。ユラウグラル家の人間として、お前は生き続けるのだよ｣
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
