次期妻候補争奪戦【浦島坂田船】

甘いあまい ページ43

・


ｺﾝｺﾝ、と優しくドアが鳴る。多分センラさんだろう、と予想しながら返事をするとやっぱりセンラさんの声。はんなり京都弁、好きなんだよなぁ


「Aちゃん、今日暇です？」

『はい、暇ですよ、どうしました？』


というか大抵暇だ。友達と連絡は取っているけど、基本この家から出ることも無いし。色々揃いすぎて出なくても大丈夫って言うところはあるけど…

ドア越しに話すのもどうかと思ってドアを開けるといつものようにふわっと笑ったセンラさん。


「今日、外に材料買いに行くんですけど、Aちゃんも行かへんかなぁって」

『え！良いんですか？行きたいです！』

「もちろんですよ、準備できたらダイニングで待っとりますね」

『はい！』


まさか外に誘われるなんて思ってもみなかった分、喜んでしまった…恥ずかしい。

「あ、センラが選んだ服着てデートしましょうね」

『え、あ、は、はい！』

吃った理由は言わなくてもわかるだろう。デート、、え、これデートなのか…意識したらさっきの何十倍もの恥ずかしさに襲われた。絶対今顔赤いだろうな…

とりあえず待たせたら申し訳ないから少し華やかなメイクをして髪の毛をハーフアップにまとめ、センラさんが好きだと言った服を着る。
大人っぽい服だなぁ…と似合うか不安になりながらダイニングに向かうと、家にいる時とは違うかっこいい雰囲気の服に身を包んだセンラさんが居た。



うん…紅茶飲んでても絵になるなぁ




・

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す