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「え、え、え???ハァ???」
「よぉ」
「なんでいんの?ここ、私の通う大学ですけど」
「俺もここに通うからいるんですけど」
は?
まってなに、この人高校の時「遠いところ行く」みたいなこと言ってませんでした?
ここバチバチ県内だし。
「え、遠いとこに行くとかは嘘ってこと?は?なんで?なんの意味があんの?」
「黙ってたら面白いかなーと思って」
私、あの時号泣したんですけど。もっと一緒にいたかったとかクソ恥ずかしいこと言ったんですけど。
「あの時のA、まじで面白かったなー」
「あの、」
「今の反応も最高。お前芸人になれるよ」
「まじで」
「じゃあこれからもよろしくね、A♡」
「ぶちころすよ?」
あぁ、あの時の私に言ってあげたい。目の前にいる悪魔を張り倒して、と。
呆れ通り越して笑えてくる。
そうか、なるせってこういう奴だったと思い知らされる。
こいつは何回私で遊べば気が済むの?
同じ大学で、しかも学部まで同じとか何考えてんの?
あの時の涙返せや!
「ほら、行くぞー」
でも、前を歩く背中を見て心底ホッとした。
またなるせと一緒に過ごせるんだ。本当に海行ったり旅行したりできちゃうんだ。
そんなの、絶対楽しいに決まってる。
結局サークルまで同じになっちゃってほとんど同じ時間を過ごす。
音楽サークルに入ったけど、ほとんどみんなで遊ぶだけのサークルだった。
海に行けばなるせに「そんな貧相な体でナンパ待ちしてるなんて可哀想」って言われて
夏祭りに行けば「全部ぺったんこだから浴衣が似合うな」と馬鹿にされた。
それでも、なるせはずっと私の隣にいたし私も自然となるせの隣にいた。
大学生になり一人暮らしを始めたなるせの家にしょっちゅう行って、漫画よんだりゲームしたり。
夜中まで一緒に課題やったり、泣きながらレポート手伝わされたり。
高校の時よりも一緒にいる時間が長くなって、あんなに振り回されてた冗談も冗談としてかわせるようになった。
高校の半年間、大学の4年間
思い返せば全部の思い出になるせがいる。
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m - お話の構成が良すぎる!自身のストーカー被害の経験から女子高生を助けちゃって、、のところ読んでて楽しかったです。なるせと主人公のふざけた会話も本当にしていそうでドキドキしました♡ (2022年5月26日 13時) (レス) @page23 id: 365275f24a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2022年3月17日 0時) (レス) @page26 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
けい(プロフ) - 最高すぎました…本当にありがとうございます…! (2021年10月15日 19時) (レス) @page26 id: 26768e7c05 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - 怜美さん» 嬉しいです〜(;_;)こちらこそ読んでいただきありがとうございました! (2020年11月11日 22時) (レス) id: 9fdc00e698 (このIDを非表示/違反報告)
な(プロフ) - ビムロスの夜さん» ありがとうございます!! (2020年11月11日 22時) (レス) id: 9fdc00e698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:な | 作成日時:2020年10月29日 17時