策士な彼の愛は重い【そらる】

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ろんさん伝いで仲良くなったAさんと初めて会う約束をした日。

Aさんの容姿も何も知らないのに待ち合わせさせられる俺の身にもなってほしい。

ろんさんはきっと遅刻だし。



「あの、そらるさんですか？」


「はい…」



一番初めに目に入ったのは艶やかな黒髪。

セミロングの黒髪に光が反射してた、その後少し下がった目尻とすーっと通った鼻筋。

美人という言葉が似合う容姿をしてた。



「良かったぁ…Aです。初めましてってのも変か笑」


「いや、実質初めましてだしいいんじゃない？」



当たり前だけど通話で聞いていた声だ。



「ろんちゃんはまだ来てないよね？」


「うん、多分遅刻。先入ってる？」


「そうしよう」



ファミレスに入ってろんさんを待ってたのに

ごめんなさい、行けなくなりました本当に申し訳ありません

ってふざけた連絡がきてAさんに伝えるとろんちゃんらしいと苦笑い。

とりあえずなんか食べようという話になって各自好きな物を頼む。


箸の持ち方は綺麗なのに、大きな口でもぐもぐ美味しそうに食べる姿が結構ツボで

ふっと笑いをもらす。



「え今笑う要素あった？」


「ハムスターみたいで面白くて」


「それ褒めてる？」


「褒めてる褒めてる」



「ならいいや」とAさんも笑ってまた食べ始める。

容姿が美人だからかギャップにやられたのかもしれない。





一目惚れってわけではないけど、少なくとも初めて会った時から気になっていた。

きっかけはこんなもん。

大それたものじゃなくて一緒に過ごしていく中でだんだんとAに惹かれていった。





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