24歳と18歳【nqrse】

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「うっ、…いい映画だったね」


えー、どうすんのこの子

映画館の椅子でボロボロ大粒の涙を流す。
いや、感動したけどここまでか？

ハンカチなんて持っているいい男じゃない。どうしたもんか。


「ごめん…ハンカチとか持ってないや」


「すぐ泣き止むから大丈夫だよ」


へらへら笑ってるのに涙は流れている。

その顔は、初めて見た。
映画が始まる前、コソコソ話したあの時、僕なりにアピールしたと思う。

まぁもう好意はバレてるんだけど、まだ好きだよってことを。

僕は、Aが好きな人に告白したなんて1ミリも気付いてなくて
これから少しずつ変わっていけばいいなー、なんて甘ったれた事を考えていた。

夏休みが終わっていきなり皐月に攻めるなら今だよ、と言われた。
そこで初めて告白して振られたことを知った。

Aに告白されて揺らがない男なんていない、絶対。だって可愛いから。


「よし、泣き止んだ！」


「目赤いよ？」


「泣くといつもこうなるから大丈夫」


泣いたらお腹空いた、と笑って歩き出すAに小走りで着いていく。


「何食べたい？」


「んー、和食の気分」


「私もそう思ってた！気合うね」


泣いてたのが嘘みたい。この笑顔が好きだ、どうしようもなく。

誰のものでもなく、僕のものにしたい。

そんな願いを込めてぎゅ、と手を握った。


「わっ、どうしたの」


「繋ぎたいから繋いだ、ダメ？」


「ダメっていうか、その」


みるみる赤くなる顔を見て満足。
もっともっと意識してよ。それで僕のこと好きになって。




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