色のない世界で、君と 2【めいちゃん】

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「はいはい、おめでとう。報告はいらない、あいつから散々聞かされたから。はい乾杯」



あの日から1ヶ月くらい経った今日。

私はなるせに少し気を遣ってバーに行かなかったのになるせからまた飲みに来いよ、と連絡をもらった。

この人いつでもいるな。



「てか、めいちゃんAは俺の事好きだと思ってたらしいよ」


「えっそうなの？」


「うん、だから驚いてたわ」



「まぁそれは俺のせいか」って意味分からないことをボソボソと言っていた。



「とにかくおめでと」


「…ありがとう」



ありがとう、って言っていいのかな。

なるせは気にしてない様子だから私も普通にするけれど、私がなるせの立場だったらこんな風に飲めないと思う。

もしかしたら気を遣わせないために無理して誘ってくれてたのかもしれない。



「ねぇ、普通にしてくれる？」


「普通だよ」


「どこが笑」



グラスを傾け、お酒を喉に流し込むとふぅと息を吐くなるせ。



「俺の中でもうけじめはついてんの」


「…はい」


「だから、余計なことは考えず自分の幸せだけ考えろ」



お見通しすぎて逆に怖い。

若干引いた目線を送るとお前いい加減にしろよ、というため息。


私はあははと愛想笑いしておいた。





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